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【新型コロナ】ホーチミン市内の工場はF1をどのように配置しているのか?

(C) VNEXPRESS

ホーチミン市内の各工場は、F1をF0との接触距離ごとにグループ分けして、受注量が増えた時の生産体制を確保できるように適切に配置している。

最近になって、保健省はF0とF1が条件を満たしていれば、オンライン又は、現場で働くことを許可するという提案を提出した。それによるとF1が出勤する為には、施設内に専用エリアを設置し、距離を確保し、密集せず、換気対策をおこない、5Kルールを徹底させる必要がある。また、F1なってから5日目と異常な兆候が見られた場合には、PCR検査か、簡易検査を実施する。この提案は、国内でオミクロン株の感染者が急増している一方で、感染者のほとんどが軽症で、F1がF0になるケースもまれであるという状況を受けて提出された。

実際、昨年末にホーチミン市内の多くの工場では、労働力不足のためにF1を出勤させるという方法をとっていた。これは、ホーチミン市保健局が、昨年11月に発行した工場内の80%以上の労働者がワクチンを2回接種済みであるかF1がワクチンを2回接種済みであれば出勤できるとのガイドラインに基づいた対応だ。F1は、3日目と7日目に検査をおこない、その後も施設内でF0がいなくなるまで7日おきに検査を実施しなければならない。また、毎日医療申告を実施し、症状がある人がいればその都度検査を実施する必要がある。

ホーチミン市ビンチャイン県のアンハー工業団地にあるダイズン社のグエン・バン・フン労働組合長は、ホーチミン市が規制緩和してから同社の工場では継続的に感染者が確認されているとの述べた。工場は、感染者を探すために定期的に簡易検査を実施し、多い時には1日で50人の感染者を確認した。F1は、F0の3倍以上いるため、同社の工場では一時期1000人の従業員の30%が欠勤となった。

「納期は短いのに労働者が足りず、経営陣は生産活動を維持するためにスリーオンサイト方式を再度実施することを検討しました。」とフン氏は話す。しかし、保健機関のデータによれば、殆どのF0は軽症で早期に回復し、F1からF0になるケースは非常に少ない。また、ホーチミン市保健局もF1の出勤を認める条件を含めたCOVID-19感染者が社内で確認された場合の対処プロセスを公表していた。

そこで同社では、半月にわたって労働者と協議した結果、F1の作業配置方法を変更した。労働者がF1となった場合、工場が簡易検査を実施し陰性であれば7日間の医療経過観察を実施する。毎日、会社の保健チームがF1のリストを更新し、各部署の労働者に5Kルールを順守するよう通知する。F1の作業エリアでは、毎日消毒作業が実施され、集団での食事が禁止された。この対応に切り替えてから3か月間で工場の製造活動は安定するようになり。工場内のF0も以前ほど増加していない。

同様にタンフー区のタンビン工業団地で4400人以上の労働者を抱えるタインコン社でも3か月前からF1に通常勤務を指示してきた。同社のグエン・フー・トゥアン人事部長は、ホーチミン市が規制を緩和して以降、同社では多くの感染者が確認されたと話す。ひどい時には、工場の殆どの社員がF0かF1となって仕事ができる人が誰もいないという状況にまで陥った。

「多くの注文を抱える中で、仕事に来れる人がほとんどおらず休職した労働者の70%の給与を補償するのは、会社にとって大きな負担でした。」とトゥアン人事部長は話す。一方で労働者側も何の症状もないのに自宅待機とされることは望んでいない。また、企業から支払われる支援金は感染第4波を生き抜き旧正月を迎えるには十分ではなかった。

そのような状況に直面し、工場はF1が出勤できるように対策を変更した。もし労働者がF0との濃厚接触によってF1に指定された場合でも、マスクを着用し2回以上ワクチン接種済みであれば、引き続き出勤できることにしたのだ。感染可能性の高いF1については、検査と医療経過観察をおこなう。F0と同居しており隔離が出来ない場合だけ、F1も自宅待機とした。

「この対策によって会社は労働量不足のなかで何とか生産活動を維持することが出来ました。」とトゥアン人事部長は話す。現在、同社の80%以上の労働者が3回目のワクチン接種を終えており、F1の作業復帰方針は、より大胆に適用されるようになっている。

多くの企業がF1を職場復帰させている一方で、一部の企業はまだ慎重な姿勢を見せている。7区のタントゥアン輸出加工区にあるJuki Vietnam社はF1を3グループに分けている。F1で職場に戻れるのはF0と短時間接触し、検査が陰性だったグループのみだ。このグループのF1は工場内の個別の場所に配置され、食事も別でおこなう。家族と隔離できる部屋があるF1の場合は、ワクチンを3回接種済みであれば接触から5日後の検査で陰性であれば職場に戻れる。F0と同居しているF1は、感染可能性が高いため自宅待機となる。

Juki Vietnam社と同様、トゥードゥック市のハイテクパークに入居するNidec Vietnam社もF1を接触距離の遠近で2つのグループに分けている。F0と近距離で接触したり、F0と同居している感染可能性の高いF1は、最低5日間は仕事を休み、簡易検査で陰性となってから職場に復帰する。遠距離接触者はマスクを着用していれば、通常通り勤務できるが、医療経過観察を実施し、接触日から3日目に簡易検査を実施する。

ホーチミン市工業団地企業協会の統計によると、ホーチミン市内の18か所の工業団地と輸出加工区で働く35万人の労働者のほぼ100%が2回目のワクチン接種を完了しており、大部分がブースター接種も完了している。2021年11月にホーチミン市保健局が発表した各企業における感染防止対策ガイドラインに従えば、殆どの工場がF1を勤務させる条件を満たしていることになる。

ホーチミン市工業団地・輸出加工区管理委員会は、当時のホーチミン市保健局の発行したガイドラインはCOVID-19を効果的に抑制し、柔軟かつ安全に適応するという議定128号に沿ったものであったと評価する。条件付きでF1の通勤を認めたことは、各工場が労働力不足の中で労働者を維持して生産活動を急速に回復させるのに役立った。

出典:13/03/2022 VNEXPRESS
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