ベトナム国内市場の1リットル当たりの食用油の価格は今年初めの時点から50%値上がりし、2年前の価格の約2倍となる5万5000VND(305円)となった。これは食用油の価格としては過去最高値だ。
今年の初めから現在までに食用油の価格は3回調整され1リットルあたり3万2000VND(約178円)から4万8000VND(約267円)まで上昇していた。現在の小売価格は4万8000VND~5万5000VNDで、2020年当時の価格の約2倍となっている。
同様に大豆油、ひまわり油、玄米油などの中高級商品も2020年から90%値上がりして1リットルあたり6万8000VND(約378円)~8万5000VND(約472円)で売られている。
ホーチミン市ゴーバップ区のグエンオアイン通りで雑貨店を営むホアさんは、最近になって食用油の値上がりが続いており、ホアさんの店では、最も競争力のある価格の食用油しか取り扱わなくなったと話す。また、高級食用油については、値上がりのために3月から取り扱いを停止したそうだ。「今年ほど食用油の値段が上がったのは見たことがありません。」とホアさんは話す。
各スーパーマーケットでは、多くのプロモーションや割引が提示されているが、店舗マネージャーによると最近は食用油の値上がりが顕著だ。「食用油の値上がりが市場の購買力にも影響を与えています。」とビンタイン区ファンダンルー通りにあるスーパーマーケットのマネージャーは話す。
食用油の値上がりは、主に製造原価の上昇によるものだ。ホーチミン市で大きなシェアを持つ食用油製造企業の幹部は過去2年間でパーム油の価格が4倍に上昇したと話す。
「パーム油は食用油の原材料の80~90%を占めています。したがってパーム油の価格が上昇すれば、食用油も値上がりせざるを得ません。」とこの幹部は話してくれた。
4月27日にインドネシアの農務省は国内のパーム油製造企業に対して無期限でパーム油と食用油の輸出を禁止すると発表した。世界の食用油輸出量の1/3を占めるインドネシアのこの決定は、パーム油価格の世界的な高騰を引き起こした。
マレーシアのパーム油評議会(MPOC)の統計によると、インドネシアの発表から2日後の4月29日にパーム油の価格は、前日から2.47%値上がりして1トンあたり7104リンギット(約20万7000円)を記録した。
この状況についてホーチミン市で最大のシェアを誇る食用油販売企業の幹部は、原材料価格の高騰が国内の食用油製造企業に大きなプレッシャーを与えていると説明した。輸送費や梱包代金なども2倍近くに上昇しており、この業界の企業の利益を圧迫している。
「今年の下半期に世界のマーケットが引き続き不安定であれば、世界各国で食用油が不足し、価格は更に上昇するでしょう。」とこの幹部は話す。
世界最大のパーム油、大豆油、ひまわり油の輸入国であるインドも価格高騰問題に直面している。インド政府は、食用油の買い占めを制限して、価格高騰を抑えようとしているが、価格が下がる様子はない。
ヨーロッパでは、食用油は品不足リストに登録されている。スペインでは、市民による食用油の買占め騒ぎが起こっており、食用油の価格が昨年の4倍に跳ね上がっている。
パーム油の主要輸出国であるマレーシアでの価格は、1トンあたり3400万VND(約18万9000円)まで下がってきた。しかし、専門家の予測ではパーム油の価格は、今後12か月で7334リンギット(約21万4000円)まで上昇する見込みだ。これは過去最高額だった今年3月の7268リンギット(約21万2000円)を上回る価格だ。
出典:18/05/2022 VNEXPRESS
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