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ベトナムビジネス情報Vol130|
世界のデータでトップ級も ベトナム何でもランキング!

ベトナムは世界の中でどのポジションにいるのか? 様々なランキングデータからベトナムの存在感を探った。トップクラスの項目を選ぼうとしたら、実はこんなに多かった!(2021年1月11日現在)。

新型コロナ対策
耐性で堂々の世界12位、国家ブランドは上昇率1位

ベトナムの新型コロナ対策が極めて優秀であることはご存知の通り。そしてそれは世界的な評価にもつながった。経済・金融系の通信社である米国ブルームバーグは、経済や社会に痛手が少ない、新型コロナに最も効果的に対応している国を「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」として発表している。
 2020年12月の最新版によると、経済規模が2000億USD以上の53の国と地域中でベトナムは12位。1位ニュージーランド、2位台湾、3位オーストラリアと先進各国が並ぶ中での快挙だ。日本は大量の感染者が出たためか前回から5つ下がって7位となったが、ベトナムより上位?。
 また、イギリスのブランド・ファイナンス社による「世界で最も価値のある国家ブランドトップ100」の2020年版では、ベトナムは前年の42位から33位となり、国家ブランド価値は前年比約30%増と急上昇して3190億USD。増加率では世界トップとなった。
 その理由は、驚くほど低い新型コロナの症例と死亡者数、製造業に適した移転先、EUとの自由貿易協定など。ちなみにトップ5は1位米国、2位中国、3位日本、4位ドイツ、5位イギリス。

若者
海外留学者数は世界4位、ニート率は低くて158位

若いベトナム人の特徴のひとつは海外留学だ。国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の2018年調査で、海外留学生数は世界211ヵ国中4位で10万8527人。中でも米国留学が多く、米国国際教育研究所(IIE)による2019~2020年度、米国留学中(大学・大学院)のベトナム人学生は2万3777人。全留学生の約2.2%で、出身国・地域別では世界6位。
 ベトナムの総人口は2019年で9646万2000人と217ヵ国中15位(世界銀行)。若い人口も確かに多いが、学費や生活費を考えるとかなりの健闘だ。
 また、国際労働機関(ILO)の推計「世界の若者ニート率ランキング」は、15歳以上25歳未満の人口中で就業、就学、就業訓練のいずれもない若者の比率。ベトナムは2019年版で189ヵ国中158位。近隣諸国ではインドネシア76位、フィリピン89位、タイ130位などで、ニートの少なさがよくわかる。

輸出
実り豊かな大地の恵みで、世界1位、2位、3位!

 ベトナムには世界に誇る輸出品目が多々ある。まずはカシューナッツが世界一で、ベトナムカシューナッツ協会によると2020年の年間輸出量予測は45万t。コショウの輸出量も世界一だ。生産量は世界シェア約40%と言われ、農業農村開発省によると2019年のコショウ輸出は前年比約23%増の28万4000t。
 コーヒー豆の輸出はブラジルに次いで世界2位。アメリカ農務省によれば2019~2020年度の世界シェアは約22%。昨年日本に初輸出されたライチもマダガスカルに次いで世界2位。国際園芸学会(ISHS)によれば世界シェアは約20%。
 意外なところでは木材・木製品の輸出。東南アジアで1位、世界では5位であり、2020年の輸出額は前年比16.4%増の131億7000万USD(農業農村開発省)。その主な輸出先は米国、日本、中国、EU、韓国。

観光
新型コロナ禍で行きたい国4位、ホイアンはアジアで1位

 新型コロナ前の2019年の訪越外国人観光客数は約1800万人で、前年比16%増(ベトナム政府観光局)。ベトナムは観光地としても人気だ。ホテル予約サイトのアゴダが2020年8月に発表した「2020年末までに行きたい国・地域」でベトナムは4位。新型コロナ対策への評価もあるだろうが、同サイトで検索数が多かったのは1位ニャチャン、2位フーコック島、3位ダナンだった。
 米国の大手旅行雑誌のトラベルアンドレジャーが2020年7月に発表した「アジアで最も魅力的な観光都市15」では、ホイアンが2年連続の1位となった。2位はチェンマイ(タイ)、3位は京都(日本)。
 一方、米国の不動産大手ジョーンズ・ラング・ラサールの「世界で最もダイナミックな都市2020」ではホーチミン市が3位、ハノイが7位に入った。都市にも注目が集まっている。

飲食
料理、米、即席麺、ビールなどでも世界ランキング

 ユニークな世界記録認定を行うワールドレコードユニオンは2020年8月、ベトナムの食文化を5つの「世界一」に認定。世界一種類が多い「汁麺」、「魚の発酵食品」、「花の料理」、「巻物の料理」、「米粉料理」で、何となく納得できる。
 米も魅力的。国際連合食糧農業機関(FAO)によればベトナムはインドとタイに次ぐ世界3位のコメ輸出大国(2019年)。しかも、2020年には2位に浮上しそうだ。米は生産量だけでなく味も保証済み。米国の米産業調査機関ライストレーダーによる2020年の第12回世界米会議で、ベトナム産の「ST25」が2位となった。
 また、世界ラーメン協会の「即席麺消費量ランキング」でベトナムは54億3000万食の世界5位、キリンホールディングスのキリンビール大学によればビール消費量は465万klで世界9位だ(共に2019年)。

GDP
2020年は2.91%と驚異のプラス成長、順位は後ほど

 世界銀行が2021年1月に発表した世界経済見通しによれば、2020年の実質GDP成長率は世界全体で-4.3%。先進国では米国が-3.6%、日本が-5.3%、ユーロ圏が-7.4%で、新興国と発展途上国では中国が2.0%とプラス成長だが、全体では-2.6%とやはりマイナス成長だ。
 ベトナムは推定値でプラス2.91%と発表された(ベトナム統計総局)。四半期に分けると1~3月期が3.68%、4~6月が0.39%、7~9月が2.69%、10~12月が4.48%と、感染拡大期以降は右肩上がりで上昇中だ。そのため、2021年は7~8%の成長を予測する国際機関が多い。
 2019年の世界のGDP成長率の上位は、東ティモール、リビア、ルワンダ、エチオピア、バングラデシュなどの発展途上国が多い。各国の正確なデータが揃わないと判断できないが、新興国以上ではベトナムが世界トップ5くらいには入りそうだ。

他にも!
東南アジアでサッカーと初等教育学力が第1位

 国際舞台で存在感を見せ始めたベトナムサッカー。1部リーグのサイゴンFCがFC東京と業務提携をするなど、日本との結びつきも強まっている。国際サッカー連盟(FIFA}の世界ランキングでは男子は93位、女子は34位。しかし、アジアに限れば男子は14位、女子は5位。そして、東南アジアに限れば……男子も女子も第1位だ。
 世界知的所有権機関(WIPO)などによる「国際技術革新力ランキング2020」において、ベトナムは世界131の国と地域中で42位。、これは低所得国の29ヶ国中ではトップの順位だ。
 また、東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)による「東南アジア初等教育学力指標(SEA-PLM)2019」で、ベトナムは6ヶ国中トップ。ここにはベトナムの小学校150校の生徒が参加しており、「リーディング」、「ライティング」、「算数」の全ての項目で1位だったというからすごい。