学習者の増加数は世界一
日系企業から引っ張りだこなのが日本語話者のベトナム人。では、彼らを生み出す日本語教育が拡大の一途にあることをご存じだろうか。
国際交流基金(JF:The Japan Foundation)の2018年度海外日本語教育機関調査によると、ベトナムの日本語学習者数は約17万人と世界第6位であり、前回調査からは約11万人という世界一の増加を見せている。
そして、日系企業の進出や日本での就労希望者の多さから、民間の語学学校や大学での教育を想像しがちだが、現場はそれに留まらない。小・中・高校から既に始まっているのだ。
ベトナム教育訓練省は経済の発展・活力向上、国際関係の強化を見据えた「国家外国語プロジェクト」を進めており、小学生から高校生までの初等・中等教育課程で、日本語を含む外国語教育を推進している。
現在では全国10地域(省・都市)の約120の中学校と高校で、第1・第2外国語として日本語教育が行われ、ハノイの小学校2校でも3年生から日本語の授業を実施している。
日本のJFも教育を支援
加えて、2022年9月から小学3年生~高校12年生まで一貫して日本語を学ぶ、「第1外国語の日本語カリキュラム」の導入が発表された。それに合わせて現在、ベトナムと日本の両国の専門家を中心として、新しい教科書出版の準備が進んでいる。近い将来、多くの日本語人材が輩出されることは間違いない。
こうした背景から11月28日、JFベトナム日本文化交流センターは、ベトナムの文化言語教育学際研究所との共催で、「第1回ベトナム全国初等・中等日本語教師フォーラム」をオンラインで開催した。
JFは他にも日本語教授法研修の提供や、日本語教材『まるごと 日本のことばと文化』や『いろどり 生活の日本語』のベトナム語版の出版などを展開している。ベトナムでの日本の支援や貢献は、日本語教育にも及んでいる。日越関係、人材の点からも、もっと積極的に注目してみてはいかがだろうか。
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