新型コロナ感染が深刻になった今だからこそ、人の愛情や優しさ、思いやりの気持ちが見えてきている。これらはベトナムのニュースから選んだが、実は何十倍もの話題が掲載されていた。さすがベトナム！

チャリティー

ベトナムスターたちの知られざる貢献

ベトナムのスターたちが多数の感染者を出したバクザン省を支援している。国民的歌手のミー・タムでバクザン省に3億VNDを寄付。これは同省が彼女に感謝の手紙を送り、それをファンがSNSで広めたことから公になった。寄付を公表しなかったミー・タムに多くの称賛が寄せられている。

　民謡を基調にした歌で著名な男性歌手のトン・ズオンは仲間と共に4億VNDを集め、2500着の防護服や2400 本のドリンクなどをバクザン省に送った。欧州最大の音楽祭でベトナム代表を務めたダム・ヴィン・フンは、1億8000万VNDでバクザン省とバクニン省の病院用ベッドを購入。自身の宝石をオークションにかけて、ベッド、食べ物、検査キット、マスク、医療用品の購入にも同意している。

　ベテラン俳優のダイ・ギアは、国境警備員や医師のために医療用品、生活機器、食品などを購入する12億VND以上の寄付を呼びかけ、バクザン省やバクニン省だけでなくクラスターとなった多くの病院を支援した。

　音楽プロデューサーでもあるに人気歌手のヨンハ・アイン・トゥアンは、コンサートのチケット販売から5億VNDを寄付。また、歌手で女優のホア・ミンジはバクニン省での感染拡大を知るとすぐに1億VNDを送金し、5000万VNDを追加で送った。モデル、歌手、女優、実業家でもあるホー・ゴック・ハーはバクザン省に1000着の防護服を寄付した。

出典：Dan Tri　2021年5月25日

遠距離恋愛

国を分かれても愛し続ける方法

　男性がフランス、女性が日本にいて、遠距離恋愛を4年間続けている若いベトナム人カップル。テトの度にベトナムで会っていたが、この2年ほど新型コロナで帰れていない。彼は恋愛を維持する方法をこう語る。

「パンデミックの中で遠距離恋愛を『温める』には、30分から1時間程度のビデオ通話です。恋人が嵐を乗り越えて幸せになれるには、真の友情と思いやりが必要です」

　日本と韓国にいたカップルは共に現在30歳。結婚して日本に居住したが、昨年6月に子供が生まれ、母親は子供の健康のために一緒にベトナムに帰国。夫婦は泣きながら別れたという。

「離れて暮らせば別の生活があり、環境も大きく異なります。時間を調整し、お互いに愛され、尊重されていると感じさせることが重要です。ネットの画面越しに笑うだけでもね」

　ハンガリー人の彼氏（43歳）がいるベトナム人ブロガー（34歳）。彼氏は昨年2月にハンガリーに戻ったままだ。彼女は、お互いにちょっとしたサプライズをするのが「火を止めない方法」と言う。

「私がハンガリーのフードデリバリーアプリで彼に食事をプレゼントしたら、一日中喜んでくれたんです。そして彼は私の誕生日に、密かに私の兄にプレゼントを買わせて、届けてくれたの。とってもとってもうれしかった」

出典：Tuoi tre　2021年5月20日

浮気が発覚！

結婚式が2度延期、3度目の正直は？

　これは数十万人のフォロワーがいるSNSのフォーラムでシェアされた話。ここに投稿した女性は今年26歳、婚約者は30歳。今年のテト前に結婚する予定だったが新型コロナの拡大で中止に。4月30日からの連休に延期して、準備を整えて料金も振り込んだが、再度の感染拡大で2度目の中止となる。

　彼女は不安になったのか、「他の多くの女の子と同じように」彼氏の電話、Zalo、Instagramを頻繁にチェックする。しかし問題はなく、むしろ「苦難を経験した方が関係が安定する」と安心していた。そんな時、彼の不倫の証拠をGmailで発見してしまう。

　彼氏は不倫相手とやり取りしたメールをGmailのスパムフォルダに隠していた。自動的に削除されるからと安心していたようだが、削除後に「ゴミ箱」に移動することを知らなかったようだ（つまり、この女性はゴミ箱を漁ったことになる……）。

「相手はどこか遠くにいる人だと思っていたのですが、それは愛する彼の親友だったのです」

　この女性は21歳で結婚し、現在は1人の娘を持つシングルマザー。メールの内容のほとんどは、2人が会う場所と時間の相談だったそうだ。

　真実を知った彼女はあまり考えることなくすぐに別れ、両親に結婚をキャンセルするように伝えたそうだ。新型コロナがなければ今頃2人は結婚していたはず。「愛の形」が見えて良かったのか、悪かったのか……。

出典：Tin Tuc Vietnam　2021年5月8日

救急車を購入？

3億VNDの借金、困った方は無料で搬送

　カントー市に住む33歳の男性の「救急車」には、「病院への送迎無料、支払いは一切不要」というメッセージと電話番号が書かれている。救急車は韓国からの輸入で、価格は8億VND以上。何ヶ月もかけて5億VNDを友人や親戚から集め、3億VND以上を銀行から借りた。新型コロナ禍、貧しい人々を無料で病院に運ぶためだ。

「借金は心配していません。オンライン販売の仕事をしていますから」

　と語るが、男性は物流会社のセールスマンで、新型コロナの影響で給与がカット。生計を立てるために始めたのがこのオンライン販売だ。

　これまでも宝くじを売るお年寄りを手伝って彼らの収入を増やしたり、寄付を募って貧しい人たちに支援したり、「困難な状況に喜びをもたらす」ライブショーを開いている。

「なぜするか？　あえて言うなら、私以上に苦しんでいる人がたくさんいるからです」

出典：Tuoi tre　2021年5月21日

感染地域の助合い

封鎖されたゴーバップ区のボランティア連鎖

　ホーチミン市でクラスターを起こした宗教団体のあるゴーバップ区。厳しい地区封鎖の中、住民たちの助合いが話題だ。十数人の若者が休業したレストランを使って、貧しい人たちに配る850人分の無料ランチを作り始めた。すると大量の米、何百もの卵や干し魚を寄付する人や、夕食にと1000食分のベジタリアン用の粥を調理する人も出てきた。

　また、ある少年が暑い中で働く検問所の兵士のために、お茶を届けようと考えた。お茶に入れるキンカンを卸売価格で買いたいとSNSに投稿すると、「ナツメ20kgを送る」、「レモン20kgを送る」などのメッセージが来て、翌日には箱入りの氷砂糖とペットボトル1000本が届いた。彼は有志と共に毎日100リットル以上のキンカン茶を作ったそうだ。

　記事によればゴーバップ区以外でも、この数日間でボランティアの炊出し所が数十ヶ所にできている。

出典：VN Express　2021年6月7日