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ベトナム、国連で「4つの方向性」を提示 国際法・開発・AI・多国間協力を重視

ベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席と国連のグテーレス事務総長
(C)THANH NIEN

ベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席は9月22日、米ニューヨークの国連本部で開催された第81回国連総会のハイレベル一般討論で演説した。

トー・ラム国家主席は、国際秩序が大きく変化し、貿易や投資、技術をめぐる障壁の増加、サプライチェーンの混乱、気候変動、自然災害、感染症、新たな技術リスクなどが各国の発展を脅かしていると指摘。そのうえで、競争が対立に、相違が紛争に、科学技術の進歩が新たな分断につながらないよう、国際社会が取り組むべき4つの方向性を示した。

国際法を基盤に国家間の信頼を回復

第一の方向性として示したのが、国連憲章と国際法を尊重した国家間の信頼回復である。

各国は互いの独立、主権、領土保全、発展の道を選択する権利を尊重し、内政に干渉せず、国連憲章に反する武力の威嚇や行使を避けるべきだとした。

また、信頼を回復するために各国が相違をなくす必要はなく、違いを責任ある形で管理することが重要だと指摘。危機を未然に防ぎ、競争を管理し、対話を維持するとともに、国際的な約束を尊重し履行する必要があるとの考えを示した。

紛争下では民間人を保護し、国際人道法を尊重するとともに、人道支援へのアクセスを確保する必要があるとした。

アジア太平洋地域については、ASEANの発展を例に挙げ、疑念を信頼へ、対立を対話へ、分断を協力へ転換してきた経験を強調。南シナ海を含む紛争についても、国際法、特に1982年の国連海洋法条約に基づく平和的な解決を進める姿勢を示した。

公平で包摂的な持続可能な開発を推進

第二の方向性は、公平で人間中心、包摂的かつ持続可能な開発の推進である。

国際的な約束を具体的な行動に移し、人々が平和で安全かつ豊かな生活を送れるようにする必要があるとした。

そのため、国連の「未来サミット」で採択された文書や「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を着実に実施するとともに、途上国が長期的かつ適切な条件で資金を調達できる環境を整えることを求めた。

さらに、多国間貿易体制についても、開放的、公平かつ透明な仕組みを強化し、すべての国に発展の機会を確保すべきだとした。

気候変動対策では、適応策への資金、技術移転、公正なエネルギー転換を重視。経済成長を社会的進歩や公平性、環境保護と結び付ける必要性を訴えた。

AIやデジタル技術の国際的なルールづくりを

第三の方向性として、科学技術、デジタル化、AIの発展を人々と共通の発展に役立てるための統治を挙げた。

AIなどの技術はこれまでにない機会をもたらす一方、技術の進歩が自動的に公平な社会をもたらすわけではないと指摘。技術格差を縮小し、発展の機会を広げる一方、新たな依存関係や対立を生み出さないことが重要だとした。

そのため、包摂的、安全、透明かつ責任ある技術統治の原則と枠組みを構築し、各国の主権やデジタル主権、発展の自主性を尊重する必要があるとした。

また、途上国も国際的なルールづくりに実質的に参加し、科学技術の成果に公平にアクセスできる環境が必要だと主張した。

ベトナムでは2025年にサイバー犯罪に関する国連条約の署名開放式が開催されており、同国はデジタル分野での国際協力やサイバー犯罪対策への貢献を続ける姿勢を示している。

国連の中心的な役割を強化

第四の方向性は、多国間主義と国連の中心的な役割の強化である。

トー・ラム国家主席は、国連の力は各国に代わって責任を担うことではなく、合意形成や国際的な規範・ルールづくりを通じて、共通の課題に対する世界的な取り組みを動員できる点にあると指摘した。

そのうえで、国連が時代の変化に対応できるよう、総会、安全保障理事会、事務局などの改革を支持。効率性を高め、組織構造を見直すとともに、途上国の利益にも配慮した国連改革を進める必要があるとの考えを示した。

ベトナムは「積極的な加盟国」として国際協力を強化

演説では、ベトナム自身の外交・開発方針についても説明した。

ベトナムは2030年までに近代的な産業を持つ中所得国となり、2045年までに先進国・高所得国となることを目標としている。その実現に向け、科学技術、イノベーション、デジタル化、高度人材を成長の原動力とし、生産性、品質、付加価値を重視する新たな発展モデルを構築するとしている。

外交面では、独立、自主、自立、平和、友好、協力、発展を基本とし、外交関係の多角化・多様化を進める方針を改めて示した。

また、ベトナムは2027年のAPEC開催国を務める準備を進めており、ASEANの団結と強靭性を強化しながら、地域と世界の平和、協力、発展に貢献するとした。

国連人権理事会のメンバーとしては、人権の促進・保護に向けて対話と協力を重視し、貧困削減、農業、気候変動への適応などの経験を各国と共有する考えも示した。

トー・ラム国家主席は、ベトナムは「平和、協力、発展」を選択するとしたうえで、国連を強化し、国際法を尊重し、国際的な約束を人々にとって具体的な利益へとつなげていく姿勢を示した。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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