ビンズン省の各自治体がCOVID-19ワクチン接種登録を実施すると発表しながら、実際にはワクチン不足によって接種が行われず、多くの市民が失望を露わにしている。この状況を受けて、ビンズン省は、ベトナム保健省に対して、救済を求めている。
8月8日にビンズン省人民委員会のボー・バン・ミン主席は、ベトナム保健省のグエン・タイン・ロン大臣宛に、COVID-19ワクチンの分配を要請する緊急文書に署名した。
人工260万人を抱えるビンズン省人民委員会では、2021年8月から9月にかけて、労働力を確保するためには省内で200万人以上へのワクチン接種が必要であるとしている。
特にホーチミン市と近接するビンズン省の4地区（ジーアン、トゥアンアン、タンウェン、トゥーザウモット）は、国内及び、海外のサプライチェーンに関連している製造業が多数存在する重要な経済地区だ。一方で、これらの地域は、ビンズン省内でも新規感染者数が最も多い地域で、感染率はホーチミン市と比べても遜色がない状況になっている。
ビンズン省では、もし十分な量のワクチンが供給された場合には、ワクチン接種のスピードアップに障害となる条件を克服し、ワクチン接種スピードを最大で1日あたり10万回に引き上げる計画であるとして、ワクチン提供を要請している。
ビンズン省の多くの自治体がワクチン接種を1日実施しただけで、ワクチン接種の停止を余儀なくされている。各自治体では、ワクチン接種の希望者登録を募っていたにもかかわらず接種が進まない状況で、多くの人が失望感を露わにしている。
ビンズン省はベトナム国内で2番目位に感染者が多く、人口比率ではホーチミン市と変わらない感染状況であるにもかかわらず、ワクチンの分配率は、感染者数に比べて低い数字に抑えられている。
ベトナム保健省の公表しているデータでは、ある省はビンズン省と同等の数のワクチンが分配されているが、感染者数はビンズン省の1/3に過ぎない。また、ある市はビンズン省より人口は多いものの感染者数はビンズン省の1/13に過ぎないが、ビンズン省の何倍ものワクチンが分配されている。
多くの企業は、感染爆発が起きており、”製造の最前線”であるビンズン省で、労働者が安心して『3つの現場対策』を実施できるように、優先的にワクチンを分配すべきであると提案している。
ワクチンの不足は、ビンズン省の感染拡大地域に非常に強い圧力をかけている。現在、ビンズン省には54万4000回分のワクチンが提供されているが、これはビンズン省全体のワクチン需要のごく一部しか満たせていない。
ビンズン省全体で30か所近くの工業団地が活動しているが、8月8日までに労働者へのワクチン接種を開始できた工業団地はごく僅かだ。その他の工業団地では、工業団地のインフラ投資家と協力して、来週以降に大規模なワクチン接種を実施する計画だ。
しかし、多くの工業団地では、ワクチンの供給が限られており、工業団地内の企業のワクチン接種登録状況は非常に危うく、ワクチン接種登録をした『3つの現場対策』を実施している製造業の労働者に十分なワクチンを接種できない可能性がある。
出典：08/08/2021 TUOI TRE
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