多くの市民が買い物代行を注文して1週間近くたっても商品を受け取れていない。何度注文しても、注文が殺到しているという理由でキャンセルされている人もでている。
ホーチミン市が『誰もがその場にとどまる』という原則に基づき社会隔離措置を強化している間、市民への食糧の提供は、『買い物代行』、『社会保障パッケージ』など様々な形で実施されている。しかしながら、実施から5日経っても多くの市民が、注文から3~5日経ってもまだ食料品を受け取れていないと声を上げている。
8区に住むロンさんは、住んでいる地域がレッドゾーンに指定されているため、家族の買い物は全てマンションの管理委員会と地域の自治体に任されているという。しかし、ロンさんが3日前に注文した商品はまだ届かない。注文した担当者に質問すると、注文が多すぎるので徐々にしか届けられないという答えだったそうだ。その後ロンさんは、スーパーマーケットのオンライン注文を試してみたが、どれもアクセスが多すぎて発注できなかった。
同じように6区在住のホアンさんも数日前にスーパーマーケットにオンラインで注文を送り、受注確認が送られてきた。しかし今朝になって、ホアンさんはスーパーマーケットから注文が集中しているために、注文をキャンセルしますというメッセージを受け取った。
「昨日、再度注文してみたところスーパーマーケットからは一時的に受注を停止しているとの連絡があり、16時ころに再度連絡してくださいと言われました。しかし、その後に連絡してみてもやはりアクセス集中状態と表示され、何時になったら注文できるのか全然わかりません。」とホアン氏は話してくれた。
ゴーバップ区在住のハンさんは、近所の2か所のスーパーマーケットに連絡したがどちらも一時的に受注停止状態だと言われた。ハンさんが地域の責任者に電話したところ、電話にすら出なかった。他の場所にあるスーパーにも連絡したが、そこのスタッフも注文が多すぎてシステムがダウンしていると説明し、配達まで2,3日かかると言われた。また、他のケースでは、注文した商品の50~80%の商品しか届かないケースも発生しているという。
7区在住のタインさんによると、社会隔離強化の初日に、地域の役人が買い物代行の登録用紙を配布したが、登録から3日経っても商品が配達される気配は全く無いとのことだ。
「多分来週になってようやく商品が受け取れるんだと思います。」とタインさんは話し、子供たちの食事のためにバックホアサイン、ビンマート、キングフードなどの小売店からマンション内の食品販売ネットワークまであらゆるルートで連絡するしかないと考えている。タインさんは、この2日間マンション内のルートで調達した僅かな食料以外、どこからも食品が届けられていないのだ。
上記の状況を受けて、ゴーバップ区第13街区のある担当者は、毎日数人の職員が交代で市民の注文を受けているが注文が多すぎて対応できていないことを明らかにした。 そのため、この地域の職員は食料品のコンボセットの注文のみ受け付けており、個別で注文したい市民は自分でスーパーマーケットのスタッフに連絡して注文するしかない。
「コンボの注文だけでも1日あたり数百件もあって、とても配達が追い付かないので、皆さんには順番を待ってもらうしかありません」とこの担当者は話す。
1日の注文件数が数千件にのぼるというCiti Fruitのマネージャーは、現在、同社の受注システムは全力を挙げて対応していると話す。しかし、この店舗で配達のための外出許可証を取得しているスタッフは限られており、全ての顧客に予定通りに配達することは不可能だという。そのために、再度顧客と配達日についての調整をおこなわざるを得ない状況だ。
「現在、配達を支援してもらうように軍にお願いしているところなので、お客様には、ご理解を頂けますと幸いです。」とこのマネージャーは話してくれた。
ビンマートとビンマート+を運営するビンコマース社もオンラインで数千件の注文がきており注文数は日々増加しているのに対して、外出許可証を持っている配達員が少なすぎて需要に対応できない状況をだと説明する。
そのため、ビンコマースでは、商工局とホーチミン市警察に対して市民の需要に対応できるように同社の配達員への通行許可証の発行を迅速に進めてもらいたいと要求している。この要求の根拠として、ビンコマースは、同社の配達作業員が既にワクチンを接種済であり、定期的にCOVID-19検査を実施していることを挙げている。
ビンコマースの担当者は、「より多くの通行許可証が発行されれば、市民に迅速に商品を届けられるだけでなく、軍隊の作業負担を軽減し、市民がより便利に買い物出来るようになります。」と通行許可証発給のメリットを説明する。
ホーチミン市内に600店舗近くを展開しているバックホアサインのグエン・ティ・ゴック・トゥーン部長は、注文が数万件に達しているのに対して配達員が全く足りておらず、システムがパンクしていると説明する。この様な状況でバックホアサインは、各区・県の担当者と連携して商品の受け渡しをおこなう努力をしたが、まだ各地域には各家庭に商品を届けるのに十分な対応能力が整っていないのが実情だ。
「当社では、今後の支援計画を立案するために日々会議をおこなっています。しかし、スーパーマーケット側としては、ホーチミン市にもっと多くの通行許可証を発行してもらわなければ、どうにもならない状態です。」とトゥーン部長は話す。以前スーパーマーケット側では、強引に配達を進めようとしたことがあるが、検問所で罰金処分を受けて強制的に帰還させられたため、市民に食品を配達することが出来なかった。
トゥーン部長によれば、もし政府機関がより多くの通行許可証を発給できなければ、バックホアサインとしては、顧客に一日の配達可能数が限定出来であることを伝え、配達できない分は謝罪するしかないとしている。配達員が少なすぎる現状では、このような対応も不可抗力といわざるを得ないとスーパーマーケット側は指摘する。
「数日前には、オンラインの受注を開始して1時間で注文が殺到してシステムがフリーズしました。多くの顧客からの注文が配達できずに商品がダメになり、キャンセルせざるを得なくなって会社に大きな損害をもたらしました。そのためバックホアサインとしては、新たな配達方針が決まるまで、一時的に仕入れを停止しています。」とトゥーン部長は説明する。
通行許可証の発行と管理を担当するホーチミン市商工局は、現在全力をあげて、各企業への通行許可証の発行手続きを進めていると説明する。商工局では更に、各区と県における商工局との連絡担当者のリスト作成を進めている。商工局では、市民の中で食品購入について問題があれば、地元の商工局担当者に直接連絡するように呼びかけており、各小売店からの提案についても早急に検討するとしている。
出典:27/08/2021 VNEXPRESS
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