オーストラリアとニュージーランドが批准したことで、世界最大の自由貿易協定である地域的な包括的経済連携協定(RCEP)が2022年1月1日から発効することとなった。
11月3日に発表された声明の中で、ニュージーランドの貿易・輸出成長担当省のフィル・トワイフォード大臣は、ニュージーランドがRCEPを批准したと述べた。
その前日となる11月2日にはオーストラリアの貿易省のダン・テハン大臣も同国がRCEPを批准したと発表していた。
RCEPにはASEAN加盟10か国とオーストラリア、非ASEAN諸国の中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの5か国が参加している。これまでにASEAN加盟6か国と非ASEAN諸国の中国と日本が2021年の4月と6月に既に批准していた。
RCEPの規定によれば、本協定はASEAN加盟国のうち少なくとも6か国と非ASEAN加盟国の少なくとも3か国が批准してから6か月後に発効されることになっている。そのため11月のオーストラリアとニュージーランドの批准によって世界最大規模の自由貿易協定が2022年1月から発効されることになり、COVID-19感染拡大後の各国の経済回復プロセスを強力に後押しするとみられている。
フィル・トワイフォード大臣は、RCEPはニュージーランド企業に新たなマーケットへのアクセスをもたらし、多大な経済的恩恵をもたらすものだと期待感を表明している。
一方、オーストラリアのダン・テハン大臣は、オーストラリアとニュージーランド両国がASEANの主導するRCEPを同時に批准したことは、両国とASEANの強い結びつきを示すものだと述べた。
テハン大臣はさらに、オーストラリアのRCEPの批准は、ミャンマー情勢に対するオーストラリア政府の深刻な懸念を変更することは意味しておらず、引き続きASEAN各国と協力してミャンマー情勢の平和的解決方法を模索したいと述べた。
RCEPは、8年間の交渉の末に2020年11月に締結された。この協定は、世界最大級の自由貿易協定で、対象地域は世界人口の約30%(22億人)とGDPの約30%を占め、ニュージーランドの輸出金額の50%をカバーしている。
RCEPの誓約によれば、91%の商品の関税が撤廃され、投資、知的所有権、Eコマースに関する規定が一律標準化される。
RCEPは、域内のサプライチェーンを回復させ、企業にとってより効率的なサプライチェーンの構築を促進することが期待されている。RCEPはさらに、最近の不安定なサプライチェーンの状況下においてASEAN諸国に長期的に安定した輸出マーケットを生み出すとみられている。
RCEPの発効は、貿易、投資、知的所有権、Eコマースに関する拘束力のある法的枠組みを域内に作り出し、公平な競争環境を生み出すものと期待されている。
出典:03/11/2021 VNEXPRESS
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