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【新型コロナ】工場労働者へのワクチン優先接種を提案

(C)VNEXPRESS

製造業界は、新型コロナ感染リスクが高いグループに属しているとして、工場労働者をワクチンの優先接種対象に追加するよう政府に要望した。

この提案は、5月20日付でベトナム裾野産業協会(VASI)から政府および、関係省庁に対して文書で提出されたものだ。

VASIのレ・ズーン・クアン会長によると、もし政府がワクチン接種を迅速かつ効果的に実施するために、上記の提案を受け入れてくれるのであれば、会員企業は、労働者のためのワクチン接種費用を負担する準備が出来ているとのことだ。

「現時点で裾野産業関連企業の最も望んでいることは、政府がワクチン接種を迅速に展開し、製造業の労働者に対する接種を優先してくれることです」とクアン会長は話す。

裾野産業に従事する企業は工業団地で活動しており、常に感染拡大のリスクにさらされている。もし、これらの企業で製造活動が中断すれば、ベトナム国内のグローバル企業のサプライチェーンに多大な損害を与える可能性があることが危惧される。

実際にバクザン省とバクニン省の工業団地で活動していた多くの企業は、数百人規模のCOVID-19感染者を記録しており、これがこの2つの省が国内で最も感染者の多い地域になっている原因となっている。継続的な製造活動を保障するために、VASIでは、製造業に従事する労働者に対するワクチン接種を優先するように提案しているのだ。

さらにVASIでは、政府当局に対して、人々の国内外の移動の管理と利便性を確保するために、ワクチン接種証明書の発給機関、形式、QRコードの有無など発行形式を統一する必要があると提案した。

裾野産業だけでなく、縫製業界もワクチン接種のサポートを希望している。ベトナム縫製教会(VITAS)のブー・ドゥック・ザン会長は、「多くの従業員を抱える製造業の労働者に優先的にワクチンを接種することは、集団免疫の獲得プロセスを加速し、各企業の製造活動を安定させることに役立ちます」と述べた。

現行のワクチン接種方針では、医療スタッフ、感染拡大防止対策に従事するスタッフ(地方自治体の幹部、隔離施設のスタッフ、メディア関係者など)、外交関係者、税関職員、軍関係者、警察官、教師など11のカテゴリーが優先接種対象となっている。

集団免疫を獲得するためには、ベトナム国内で人口の80%がワクチンを接種する必要がある。以前にベトナム政府は、ワクチン購入資金にCOVID-19感染防止対策支援としてベトナム祖国戦線委員会が個人や企業から受け取った寄付金を使用することに同意した。またベトナム財務省も、政府に対して国家予算以外に様々な財政支援を動員するためにワクチン基金の設立を承認するよう要望している。

ベトナム保健省の試算によると、ベトナム国内で7500万人に接種をするためには1億5000万回分のワクチンが必要となり、必要経費のトータルは25兆2000億VND(約1200億円)になる。その内21兆VND(約1000億円)がワクチン購入費用で、4兆2000億VND(約200億円)がワクチンの輸送、保管、接種費用となる。

中央政府のワクチン購入予算は16兆億VND(約760億円)が割り当てられると見込まれており、地方自治体と各企業からの寄付によって9兆2000億VND(約440億円)を調達する必要があるとみられている。

出典:21/05/2021 VNEXPRESS
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