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マーケッターの 独り言Vol.20
知っておきたい韓国事情
駐在員と自営業者のグループ

 韓国外務省の2019年の調査によると、ベトナム居住している韓国人は17万2684人。そのネットワークは大きく駐在員のグループと、自営業者のグループに分けられる。

 まず居住地を見てみると、ホーチミン市ではどちらのグループも7区のフーミーフン地区に最も多く暮らしている。この地区にはホーチミン市で最も大きなコリアンタウンがあり、居住地の規模は東京でいうと新大久保に相当する。ただ、最近は韓国の財閥HYOSUNGグループを中心に繊維工場や家具工場がドンナイ省に進出し、これを契機にドンナイ省に隣接する2区のアンフー地区に、新たな駐在員グループの居住地ができつつある。ハノイの場合は、ナムトゥリエム区にどちらのグループも最も多く暮らしている。

 次にグループごとの人間関係のネットワーク。駐在員のグループは、新韓銀行とKOCHAM(韓国人商工連合会=在ベトナム韓国商工会議所)が共同で主催するセミナーを中心にネットワークが形成され、同メンバーで開催されるゴルフ大会も主要なコミュニティとなっている。一方の自営業者は、DAEWOOグループの金宇中元会長が2011年に作ったグローバル青年実業家育成プログラムがベースで、その出身者によるGYBMというグループを中心にネットワークが形成されている。

 このような差はあるものの、最近ではグループを超えた交流が盛んになっている。特に若い世代を中心にカカオトーク(韓国版SNS)を使って、住宅情報の交換、家電などの売買・譲渡、各社の商品紹介などが行われており、この傾向はしばらく続きそうだ。

柳 甫佶 Paul Ryu
INTAGE VN のMarketing Manager。INTAGE Japanで海外調査担当後、日本人の妻と一緒にINTAGE VNへ赴任。日本でBranding Masterを取得(九州大学大学院)。レポートの詳細はWebサービスのSlideShareで「VIEVIEW」と検索。