前回の記事で説明した通り、ベトナム消費者の景況感は昨年末から停滞傾向であったが、2020年1月からの新型コロナウイルス感染の影響で、ますます消費者信頼感指数が悪化している。
インテージベトナムの2020年3月調査によれば、消費者信頼感指数(基準値100)は「世帯景況感84、個人景況感78、マクロ経済期待82」と、景気低迷を示す95ポイントよりもかなり低い。先月までどの数値も95ポイント以上であり、この1か月で最近の過去最悪水準に急降下したことになる。
同じく2020年3月に実施した新型コロナウイルスに関する消費者調査(ホーチミン市とハノイ計200名、18~59歳)によると、ベトナム政府の新型コロナウイルス対策の行動に対して、好意的な反応が79%と高かった。必要な消費としては、「マスク」(86%)と「サニタイザー(消毒機器)」(65%)が2トップとなっており、5位には「即席麺」(20%)が入って食品の「買いだめ」も進んでいるようだ。
また、今回の新型コロナウイルスに関する情報取得方法は、GEN-X(39~59歳)、GEN-Y(24~38歳)、GEN-Z(18~23歳)の世代別に異なる。GEN-XとYは政府やテレビからの取得が多いが、GEN-ZはSNSやSNSでの口コミを重視。よって、GEN-Zは偽情報やデマ情報、新型コロナウイルスの陽性者や陽性疑惑者などの漏洩個人情報にアクセスしている可能性が高い。
とはいえ、ベトナムはスマホの個人保有率が高く、政府の公式情報をSMSから配信することで、情報の格差や乖離をなくしている。この点は日本より進んでいると思われる。