インテージベトナムの月例消費者信頼感指数(基準値100)は、新型コロナの影響で過去最悪に下降した2020年であった。分析対象は、「マクロ景況感」、「世帯景況感」、「個人景況感」の3つである。
年間比較をすると、マクロ景況感の最低値は2020年5月で81.56、世帯景況感は8月で84.09、個人景況感は12月の65.59。つまり、マクロ景況感は第1波、世帯景況感は第2波、個人景況感は第3波の影響が最も強かったと言える。
次に、2020年12月時点での前年比較をした。マクロ景況感は2019年の101.04から2020年の100.83へと、ほぼ変わらない値まで上昇してきた。世帯景況感は95.48から92.33と、こちらも差が縮まってきている。一方、個人景況感は92.88から65.59と下がり、その差が広がる現象が起きている。
これらの指数は95ポイントを下回ると「低迷」となるため、マクロ景況感と世帯景況感は既に持ち直したと言っても良く、明るい兆しも見えてきているが、個人的な景況感はまだ慎重である。
この2020年12月の個人景況感を都市別で分析すると、ハノイが71.41でホーチミン市が59.45だった。11月末に約3ヶ月振りとなる市中感染者が確認され、第3波と騒がれたホーチミン市で低い数値となっている。
また、年齢別で分析すると18~29歳が83.18、30歳以上が43.48となっており、倍近い差が出ていた。年齢層が高いほど景況感が悪いと感じているのは明らかであり、これが世界的な傾向であるなら、若い国ほど将来を前向きに考えられるとも言える。今後の世界経済では、ベトナムが有利に動くのかもしれない。