ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

早わかり!ベトナム法律事情 Vol.55
取引先の従業員に贈答品は贈れる?
ベトナムにおける贈収賄罪

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス Duong Thi Huynh Chi

―― ベトナムではテト(旧正月)の前に、知合い同士で贈答品を贈り合う慣習があると聞いていますが、本当ですか?

フィンチー はい、その通りです。ベトナムでは、テトや中秋節(旧暦8月15日)に親族や友人、そして仕事でやり取りをした方等との間で贈答品を贈り合います。

―― 仕事でお世話になった公務員に贈答品を渡しても問題はありませんか?

フィンチー ベトナムの刑法では、公務員を含め職務・権限を有する者に対して、その職務・権限に関連した作為・不作為を目的に、原則として200万VND以上の価値を有するものを贈る(贈ろうとする)行為は、贈賄罪を構成します。そのため、テトや中秋節の際の贈答品であってもかかる要件を満たす限りは、理論上は贈賄罪が成立することになります。

―― 受け取る者が公務員でなければ、法的に問題はないということで良いでしょうか?

フィンチー いいえ。ベトナムの刑法上、公務員のみならず、民間企業の役職員に提供される利益も「賄賂」に当たる可能性があります。そのため、相手が顧客や取引先の従業員であっても、贈答品を贈る目的や贈答品の価値が上記の要件を満たす限りは、公務員と同様に、理論上は贈賄罪が成立する可能性があります。

 贈り物をちょっとしたお茶、お菓子、新年のカレンダーなど、価値が200万VND未満のものにすれば良いのでしょうが、大切な相手であればあるほど、日頃の感謝の思いから良い物を贈りたくなるのもわかります。悩ましいですね。

―― なるほど。ベトナムの賄賂に関する規定は厳しいですね。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス、パラリーガル。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在は法令リサーチ等弁護士の業務のサポートを行う。