ベトナムでは落ち着いた新型コロナウイルスですが、多くの国では依然として深刻です。しかし、苦労の中から「ほっこり話」も生まれています。世界中からそんなストーリーを集めました(5月上旬現在)。
コメATM、Oドンスーパー 世界がベトナムの支援に注目
ハノイからホーチミン市、地方まで各地に広がった「コメATM」。新型コロナでの生活困窮者に向けて、無料で3kgのお米を提供する。この自動配給機の発明家は国家副主席から表彰状を贈られ、マシンはインドにも輸出されたという。
同じく「0ドンハッピースーパーマーケット」も増えた。失業や収入減を申告することで、店内の食料品、衣料品、生活用品など計10万VND分の商品を無料で受け取れる。
どちらも民間の有志が立ち上がった、ベトナムならではの支援活動だ。
あなたもあの「名画」に? 各国美術館もフォローで応援
オランダ人女性が始めたと言われる、室内でできる「名画の模写」。自分の好きな作品を選んだら、自宅にある「3つのグッズ」を使って名画を真似て、インスタグラムに投稿。フランスのルーブル美術館をはじめとする各国の有名美術館もフォローしているというから、既に世界イベントだ。
投稿された「贋作」は真剣度が伝わるものばかりで、描いた巨匠たちが吹き出してしまいそうな名作揃いだ。ハッシュタグの「#tussenkunstenquarantaine」(Tussen Kunst & Quarantaine)は、オランダ語で「美術と隔離の間」という意味。
新型コロナ対策を名画で表現 ウクライナ政府がクール!
「Art of Quarantine」(検疫の美術)と題されたウクライナ政府のキャンペーンは、誰もが知る9枚の名画を使った新型コロナ対策。
白馬に乗ったナポレオンの背中にはフードバッグ、タイトルは「USE DELIVERY」。ダビンチの「最後の晩餐」ではマスクをした一人きりのキリストが描かれ、「SOCEAL DISTANCING」。他にも巨匠たちの大作がトンデモないことに!北斎や歌麿、写楽のバージョンが見たい!
青く塗られた郵便ポスト 医療関係者への感謝
イギリスの赤いポストがブルーに塗り替えられた! 誰かのいたずら? いえいえ、新型コロナと戦うNHS(国民保険サービス)のロゴと同じカラーにして、スタッフに感謝の気持ちを伝えているのだ。だから「THANK YOU」の文字。
ジョンソン首相が治療を受けたロンドンのセントトーマス病院の近く他、イギリス全土の5つのポストを青くしたのは、郵便事業を担うRoyal Mail。
よく知らなくてもお隣さん 自ら手を挙げて助け合い
フランスでは3月からNGO 「Voisins Solidaires」(隣人の連帯)が、同じアパートに住むなど隣人の相互支援をサポートしている。まずHPから「助け合いキット」をダウンロード。中には趣旨が書かれたポスター、できることを書く用紙、連絡先用紙などのPDFがあり、プリントして建物のホールなどに貼る。
これを読んだ住民が連絡するという方法だが、アナログな手法が利用者増の理由かも。
自宅待機で着飾れない? ゴミ出しがあるじゃないか
オーストラリアから始まって欧米に広がったインスタグラムの「#BinIsolationOuting」。自宅待機で外に出られるのはごみ出しくらい。ならば、「ドレスアップしてごみを出そう!」と始めたのが発端だ。
ロボットや恐竜の着ぐるみ、映画スターやアニメキャラの物まね、子どもやペットも加わって、必須アイテムのごみ箱と共に登場! 公園で撮影している人もいるけど、感染は大丈夫?
今日はみんなでクマがりだ テディベアを探そう!
ニュージーランドで始まったと言われる「テディベア・ハント」が世界中に拡大。自宅の窓際や玄関先などにクマのぬいぐるみを置いて、通りがかりの子どもたちに見つけてもらう。行動が制限されてふさぎ込みがちな子どもだけでなく、大人たちも大喜びだ。
イギリスの絵本作家の作品『きょうはみんなでクマがりだ』からの着想が、呼びかけのきっかけになったとか。
ドーナツ1つに1000ドル 50年通う常連客の好意
アメリカ、オハイオ州のベーカリー。母親と妹と店を営むスミス氏は、テイクアウトとデリバリーのみの営業になり、売上が落ちて悩んでいた。そこに50年近く通う常連客がいつものカスタードドーナツを1つ買い、1000USDを支払った。「困難な時期に店を助けたい」という申し出だ。
「私は泣いて、話せませんでした。そうしたら、『それでいいですね?』と言ってくれたんです」
レストラン関係者が結束! 医療現場に美味しい料理を
医療従事者に無料で料理を届ける「Smile Food Project」が日本で始まった。発起人は一流シェフなどレストラン関係者で、衛生管理されて作られた、美味しくて栄養満点の料理を提供する。欧米でも同様の試みがあり、以前から「日本でも」という声があったようだ。
配送場所は東京都23区を中心とした首都圏。ネット募金で寄付を募っているが、目標金額の2100万円を既に超えた。
生まれたばかりの赤ちゃん フェイスシールドが守ります
タイ、バンコクのラマ9世病院は、新型コロナ対策で新生児用の小型フェイスシールドを制作した。緩やかに曲がったデザインは赤ちゃんを傷つけない工夫で、実用性と共に色や形が可愛いと親たちを喜ばせている。
作ったきっかけは、退院後に自宅に向かうタクシー内での感染を恐れた親からの要望。病院も必ずしも衛生的ではないと、一時的な着用を推奨している。
台湾のデジタル担当大臣 マスクの消毒法を直々に紹介
天才プログラマとして知られ、35歳で入閣した台湾のデジタル担当政務委員、唐鳳(オードリー・タン)氏。新型コロナ対策でも、マスクの在庫管理システムの開発を指揮するなど活躍している。
そんなタン氏がマスクの洗浄について、日本向けに動画を作ったのをご存じだろうか。台湾の炊飯器「電鍋」を使う方法で、自ら説明・実践している姿がとてもほのぼのとする。
退院おめでとうございます ロッキーのテーマで祝福!
アメリカでは、新型コロナの患者が退院する際に、有名なBGMとスタッフの拍手で患者を送り出す病院が増えている。発端はベイステート・メディカル・センターがシルベスター・スタローンの映画『ロッキー』のテーマ曲を使ったことから。
これは「CODE: Rocky」と呼ばれ、賛同する病院が増加中。人気歌手ファレル・ウィリアムスの『Happy』を使った「CODE: Happy」も始まっている。
高齢者の孤独を支援 若者との無料電話サービス
スペインのNGO「Adopta un Abuelo」 (お爺さんの養子に)とマドリード自治州政府は、高齢者とボランティアの若者との電話サービスを無料で提供している。孤独なお年寄りの話し相手をマッチングさせるプロジェクトだ。
ボランティアは最初に性格テストを受け、登録後は月に9€を支払ってシステムのプラットフォームを支える。それでも高齢者だけでなく、若者たちからも感謝の声が届く。
小学生の社会的距離? 1m幅のユニークハット
各地で学校が再開された中国。浙江省杭州市の小学校では社会的距離を保つために、児童にユニークな手作り帽子を義務付けた。両側に50cmほどの紙が付き出しており、周囲の人と接しないようにしているのだ。宋の時代に官僚が使っていたものを真似ているとか。
動物、花や樹木、乗り物など、どれも個性が出ていて可愛いデザイン。ぜひ感染を防いでもらいたい。