インド人の海外旅行需要は世界で最も高くなっており、しかも旅行先としてベトナムが人気を集めている。
CNBCによればアジアの旅行業界の回復について考えるとき、多くの人は依然として中国人観光客の動向のみを把握しようとしている。しかし、実際には海外旅行需要が最も早く回復したのはインドだった。
これまでインド人に人気の旅行先はタイ、シンガポール、インドネシアだった。Agodaのデータによれば2019年1月から2023年5月までにインドで検索されたホテルは、上記の国でそれぞれ147%、215%、256%増加している。しかし、最も検索数が伸びたのはベトナムで、インドでのベトナムのホテル検索数は2019年から390%も増加している。
AgodaのCEOであるオムリ・モルゲンシュターン氏は、2019年には、ベトナムはインドの海外ホテル検索先上位に入っていなかったと話す。ベトナムはインド人旅行者にとって長らく忘れられた場所だった。
インド人旅行者がベトナムに関心を示してこなかった主な理由は、両国に直行便がないことにある。しかし、この両国の乗継便は利便性が高く、各フライトの所要時間は4~5時間に過ぎない。
モルゲンシュターン氏は、東南アジア諸国はインド人に人気だが、東アジアはそうでもないと指摘する。インドから日本、台湾行きのフライトとホテルの検索数は2019年より減少している。一方で、韓国行きのフライトとホテルの検索数は増加した。
東アジア諸国がインド人に東南アジア諸国ほど人気がない理由の一つは物価が高いことだ。アジア以外では、アメリカとイギリスへの旅行も人気だがこの2カ国も物価が高い。
一方でAgodaのデータは、インド人による海外旅行需要が世界中で最も爆発的に増加していることも示している。アジア太平洋地域の海外旅行検索数は2019年時点と比べて30~60%程度までしか回復していないが、インドだけは225%も増加している。
旅行関連データ分析を専門とするシリウム社によれば、インドの海外旅行需要の回復は、国内経済の高い成長率に支えられている。シリウム社の報告書によれば、インドの経済成長は第2四半期以降も継続すると予測されている。
海外旅行への関心が高まっていることに加えて、インド人旅行者の購買力も高まっている。以前は、インド人観光客の購買力はそれほど高くないと考えられていた。しかし、Agodaはインド人旅行者のアジア旅行での購買力は中国人とほぼ同等になる可能性があると指摘している。
Agodaの2022年のデータによれば、インド人旅行者の海外旅行先の宿泊費用はコロナ前より30%以上高くなっており、中国人旅行者の平均額より20%も高くなっている。SOTCトラベルのヴィシャル・スリ社長によれば、インド人旅行者は、有名な4つ星や5つ星のホテルに宿泊するケースが増えている。また、旅先でのファストフードの利用が減り、地元料理のレストランを利用するケースが増えている。
ただし、インド人旅行者による海外旅行需要の高まりは富裕層のみで起きている現象だとスリ社長は指摘する。中所得者層を含めた残りの層では現在でもLCCを利用した国内旅行の方が人気が高い。
出典:29/05/2023 VNEXPRESS
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