ホーチミン市1区人民委員会は、市内の地下駐車場建設プロジェクトに民間投資を呼び込むことは困難であり、プロジェクト期間が長期にわたることとから、ホーチミン市の予算で計画を実現するよう提案した。
これは7月11日に開催された第10期ホーチミン市人民評議会会議において、市内中心部の地下駐車場プロジェクトの進捗状況が議題となった際に1区人民委員会のレ・ドゥック・タイン主席が述べた内容だ。
タイン主席によれば、1区には、合計で6300台の自動車と4000台のバイクを収容できる4か所の地下駐車場建設計画が存在する。建設予定地は、レバンタム公園、チョンドン劇場、タオダン公園、ホアルースタジアムの4か所だが、市内中心部が深刻な駐車場不足に悩まされる中、全く計画が進んでいない。
1区人民委員会は調査の結果、地域内の駐車場スペースは需要の30%しか満たせていないと明らかにした。駐車スペース不足は、バイクの道路や歩道への駐車を常態化させ、交通安全と都市秩序に影響を与えている。そのため、1区人民委員会はホーチミン市に対して公共投資を地下駐車場建設工事に割り当てることを検討するよう提案した。
「これは駐車場ニーズの解決に加えて、公共サービスの向上につながり、ホーチミン市中心部への観光客誘致にもつながるでしょう」とタイン主席は述べた。
タイン主席はさらに、差し迫った市民の駐車場需要に対応するため、1区は、グエンフエ通りに繋がる路地の一部を暫定的に駐車スペースとして活用する案を検討していると述べた。この地域には、毎日多くの市民や観光客が訪れており、深刻な駐車場不足に陥っている。
ホーチミン市中心部の4か所の地下駐車場プロジェクトについて、ホーチミン市は以前に官民連携(PPP)方式による投資を呼び掛けていた。しかしながらこれらのプロジェクトの中で起工式がおこなわれたのはBOT(建設-運営-移転)方式で投資額1億1000万USDのレバンタム公園地下駐車場プロジェクトのみとなっている。ただし、その後、長期にわたってプロジェクトが進捗しなかったため、このプロジェクトはホーチミン市によって撤回されている。
残りの3つのプロジェクトのうち、最も進捗がありそうなのはチョンドン劇場の地下駐車場プロジェクトで、総投資額は9000億VNDとなっており、長年にわたり投資家が実現を望んでいた。しかし、このプロジェクトは、多くの問題が発生し、何度も計画の修正に迫られており実現には至っていない。残りのタオディエン公園とホアルースタジアムの案件もBOO(建設-所有-運営)方式での投資が検討されていたが、全く進んでいない。
ホーチミン市では地下駐車場プロジェクトが進まない中で市内の駐車場需要に対応するため、中心部の空き地を活用して立体駐車場を建設する調査を進めている。
ホーチミン市内の駐車場面積は、現在計画の20%しか達成しておらず2020年以降の目標である約1200ヘクタールに対して900ヘクタール以上が不足している。駐車場予定地も計画の126ヶ所のうち、現在完成しているのは35か所に過ぎない。そのため、市内中心部を筆頭に日々高まる駐車場需要に対応することは難しい状況だ。
出典:11/07/2023 VNEXPRESS
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