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【社会】「このままでは都市鉄道網の完成に100年かかる」

(C) VNEXPRESS

計画投資省のグエン・チー・ズン大臣は、ホーチミン市のメトロ建設工事の進捗状況はあまりにも遅く、進捗状況を加速させるために仕組みを一新しなければ、完成までに100年はかかるだろうと述べた。

7月18日にファン・ミン・チン首相が開いた会議の席上、「ホーチミン市とハノイは8~9路線のメトロ完成を目指していますが、従来のやり方を変えなければ、完成までに100年はかかるでしょう」とグエン・チー・ズン大臣は述べた。

ホーチミン市は、8路線のメトロと3路線の路面電車(またはモノレール)の建設を計画しており、総延長は約220㎞、総投資額は約250億USDと見込まれている。現在、メトロ1号線(ベンタイン-スオイティエン)と2号線(ベンタイン-タムルーン)の合わせて30㎞強の路線が中央政府予算からの配分メカニズムに従ってODAによって展開されている。その他の路線については、未だに進捗が無い。

中でもホーチミン市中心部と東部を結ぶ全長約20㎞のメトロ1号線は、予定から5年も遅れている。その主な理由は、このプロジェクトが常に資金面の問題を抱えているために、その場しのぎの対策に終始していることにある。プロジェクトを維持するためにホーチミン市はこれまで何度も請負業者や従業員への支払い予算を前倒ししてきた。ついには2018年に駐ベトナム日本国大使がホーチミン市に対してこのままではプロジェクトの建設がストップする危険性があるとの警告文書を送付するまでに至った。

ズン大臣によればホーチミン市は過去16年間でメトロ1号線の20㎞の工事を未だに完了できておらず、2号線は立ち退き問題で停滞している。ズン大臣は、これはあまりにも遅い進捗状況であり、ホーチミン市には、都市鉄道網を早期に整備するための抜本的な解決策が必要だと指摘した。

「ホーチミン市は残りのメトロ路線を早期に完成させるために約200億USDの融資を受けるための仕組みを検討し、提案する必要あります」とズン大臣は述べ、既存の資源を動員しながら新たな資源やチャンスを開拓できれば、投資プロセスを加速させ、地域の開発を促進することに繋がるとの見方を示した。

ズン大臣は、中国では1997年から1998年にかけて全国の高速道路網が約1万㎞しかなかったのが、20年足らずで16万8000㎞まで拡大させ、世界トップクラスにまで成長したことを例に挙げた。中国の成果は管理政策からリソースの調達まで様々なソリューションの実施によって達成された。

ズン大臣は、ホーチミン市が競争力を高め、投資を呼び込むために都市鉄道網を近隣の省まで拡大させるなどの検討が必要だと指摘する。これは、近隣都市の発展と地下空間の活用と公共交通型都市開発(TOD)に大きく貢献する可能性がある。

ズン大臣はまた、ベトナム南東部について、ベトナムの社会経済発展において重要な役割を果たしているものの、多くの課題と限界に直面していると評価した。ズン大臣によればこの地域では地域内及び地域間のインフラネットワークが欠如しており、各地域の発展に格差が生じている。そのため、ズン大臣はこの地域に対して地域インフラ開発基金を形成し、公共投資をベースとした資金の有効活用によって外部リソースの活性化を図るべきだと提案した。

同じ会議で運輸省のグエン・バン・タン大臣は、南東部地域のインフラについて、都市計画に基づいてこの地域の交通プロジェクトに投資するためには約738.5兆VNDの資金が必要だと述べた。その中で陸路、鉄道、水路、空路の4分野を含めた主要プロジェクトに2021年から2025年度には約342兆VNDが必要であり、その後の5年間で396兆VNDが必要となる。

しかし、タン大臣によればこの地域は4つの大きな課題に直面している。それは、世界的な景気低迷、企業の財務能力低下、限定的な予算そして打開策の欠如だ。これらの要因によって、この地域が国内外の大規模投資家の関心を集め、多くの企業が活動している国内で最も活発な経済地域である利点を有効に活かせなくなっている。

これらの課題を克服するために、タン大臣は早急な都市計画実現に向けて、地域間の連携を促進するプロジェクトなど優先的な投資誘致プロジェクトを選定し、投資リソースを確保するためのソリューションに焦点を当てるべきだと述べた。同時に、この地域の自治体は経済発展を促進するとともに投資リソースを積極的に費やしてインフラ整備を完成させるための優れたメカニズムや政策を研究し、提案する必要がある。

ベトナム南東部地域には、ホーチミン市、タイニン省、ビンフック省、ビンズン省、ドンナイ省、バリアブンタウ省が含まれている。この地域は国内で最も経済活動が活発なエリアで、面積は国土全体の9%、人口は全国の20%に過ぎないが、GDPの30%に貢献しており、国家歳入の45%を占めている(2021年統計)。

現在、ベトナム南東部にはロンタイン国際空港、ホーチミン市環状3号線、ビエンホア-ブンタウ高速道路など数多くの大規模インフラプロジェクトが展開されている。また今後は、ホーチミン市環状4号線、ホーチミン市-モクバイ高速道路、トゥーティエム-ロンタン鉄道などの重要プロジェクトへの優先投資も予定されている。

出典:18/07/2023 VNEXPRESS
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