HSBCは、ベトナムのインフレリスクが再燃しているとして2023年のベトナムの平均インフレ率予測を3.4%に引き上げた。
HSBCの今回の予測は従来のものより2ポイント高いが、ベトナム国家銀行の目標値である4.5%は依然として下回っている。HSBCが予測を引き上げた主な理由は、過去2か月でインフレ率が急速に上昇しており、インフレリスクが再燃していると判断したためだ。
具体的には、消費者物価指数(CPI)が6月の2%から9月には3.66%と急速に上昇している。この急激なCPIの上昇は、ベトナムのCPIの主要要因である石油と米の市場価格が継続的に上昇していることによるものだ。
この期間、コアインフレ率は6月の4.33%から9月には3.88%へと低下傾向にあったが、9か月平均は前年同期比で4.49%増と依然として高く、CPIの平均上昇率を超えている。
HSBCによれば、ベトナムの輸出額は、米の輸出価格上昇の恩恵を受けているが、国際価格の上昇によってベトナム国内の必需品価格も上昇している。ベトナムは、最近の世界的な石油価格変動の影響を受けやすい状況になっている。過去12ヶ月で物流費用の下落が初めて止まっただけでなく、ガソリン価格も大幅に上昇している。
HSBCは、継続的な景気回復、インフレの加速、為替リスクの再発により、以前考えられていたような50ポイントの利下げが正当化出来る状況にはないと判断している。したがって、HSBCは、余程のことが無い限り、ベトナム国家銀行は2024年の金利を4.5%で安定させるべきだと指摘する。
ただし、為替レートの継続的な上昇によってベトナム国家銀行が積極的な利上げに踏み切らざるを得なかった2022年10月のようなことが再び繰り返される可能性は低いとみられている。なぜなら、ベトナムドンのマクロ経済状況は改善しているからだ。具体的には、好調な貿易黒字、海外送金の増加、国際観光収入の増加などによって、ベトナムの経常黒字は以前のピーク時であったGDP比5%近くに戻っている。
一般的な経済状況を踏まえてHSBCは、ベトナム経済が最も困難な時期は既に乗り越え、第4四半期にはGDP成長率7.3%を達成し、年間では5%の経済成長を達成できる状況に近づいていると評価している。2024年に関しては、HSBCはベトナムの経済成長率は6.3%まで上昇し、インフレ率は3.3%に抑えられると予測している。
出典:12/10/2023 VNEXPRESS
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