過去数ヶ月にわたり、中部高原地方で複数の業者がセミの抜け殻を高値で買い取っており、最も高いケースでは1kgあたり約200万VNDに達した。
4月30日にコントゥム省ゴックホイ県の多くの住民が、コーヒー農園やゴム林に行き仲買人に買い取ってもらうためにセミの抜け殻を探した。現時点で、大量のセミの抜け殻が木の幹に残されており、人々は1日で0.7~1.0㎏の抜け殻を集めている。
ゴックホイ県でセミの抜け殻の仲買人をしているダン・ハーさんによれば、抜け殻には2種類あり、1つは薄くて赤っぽい色をしており、もう一つは厚く黒っぽい色をしている。現在のセミの抜け殻の買取価格は種類によって1kgあたり80万~100万VND程度となっている。
ハーさんは、2月ごろからセミの抜け殻の買い取って外国人業者に販売している。「中国人は、毎年セミの抜け殻を仕入れに来ますが、今年は、いつもより価格が上がっています」とハーさんは話し、コントゥム省の仲買人は、十分な量の抜け殻を集めるために、あるだけの抜け殻を買い取っていると付け加えた。
仲買人は、ウェブサイト上にザライ省、コントゥム省、ダクノン省、ダクラク省で大量のセミの抜け殻を買い取るという内容の写真や情報を多数掲載している。仲買人たちは、地元での抜け殻収集のために住民に手付金を支払い、収集できたものは全て買い取っている。
この”ゴールドラッシュ”に直面し、ザーライ省の各地域では多くの住民がゴム林やコーヒー農園、カシューナッツ農園に入って、セミの抜け殻を探すようになった。セミの抜け殻の買取価格はサイズによって1kgあたり50万から100万VNDだが、非常に大きなサイズの場合、1kgあたり約200万VNDで買取られるケースもある。
「彼らがセミの抜け殻を何に使うのかよく知りませんが、何かの薬だと聞いたことがあります。ピーク時には、私は地域の住民から1日15kgもセミの抜け殻を買い付けました」とザライ省在住のドゥック・フンさんは話す。
ザライ省ドゥックコー県の農業農村開発局のグエン・クオック・トゥー局長は、当局は業者がセミの抜け殻を高額で買い取っているという情報を確認していると話す。その上で、トゥー局長は、政府機関と協力し、地元住民にセミの抜け殻を高値で販売するような投機目的の行動には慎重になるように勧告している。
コントゥム省ゴックホイ県の幹部は、セミの抜け殻の買い取り業者を監視するとともに、各村に対して業者がセミの抜け殻を買い取る理由を調査するように指示した。
セミは、山間部や都市部の高くて大きな木が茂る場所に大量に発生する。成虫は硬い殻に覆われた昆虫だが、幼虫のときには羽が生えておらず地下で生活する。成虫になる時には木によじ登ってから脱皮し、羽が生えて樹上で生活するようになる。
ダクラク省東洋医学研究所のボー・トゥアン・ホア所長は、セミの抜け殻は、東洋医学では疥癬や蕁麻疹の治療に使用されるが、使用料はそれほど多くなく、年間にベトナム全国でも0.5㎏程度しか使用されていないだろうと述べた。
「なので、セミの抜け殻が1kgあたり百万ドン以上で買取されているというのは違和感があります。」とホア所長は述べ、以前のミミズやカシューナッツの葉のときと同じように海外から密輸されたセミの抜け殻の価格を吊り上げて売り抜けようとしている可能性が非常に高いと指摘した。
出典:2024/05/03 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載