プーチン大統領の訪越中に、ベトナムとロシアは、経済、貿易、安全保障、インフラ、エネルギーの分野で協力関係を強化することで合意した。
ロシアのプーチン大統領は、6月19日から20日にかけてベトナムを公式訪問した。これは、ベトナムとロシアが両国の友好関係の基本原則に関する条約締結30周年を記念する象徴的な出来事とみなされている。
「プーチン大統領の公式訪問は、ベトナムとロシアの多方面にわたる協力関係に新たな勢いを生み出しました。共同宣言を通じて、11の協力文書が締結され、両国のハイレベル会談が実施され、ベトナムとロシアの包括的な戦略的パートナシップを深化させるための大きな方向性が合意に至りました」と6月21日の外務省声明で、ブイ・タイン・ソン外務大臣は述べている。
ソン大臣によれば、ベトナムとロシアは、首脳クラスを含めたあらゆるレベルとチャンネルを通じて、対話と接触を強化し、様々な分野での協力を促進するメカニズムを効率的に展開し、国連、APEC、ASEANなどの多国間フォーラムにおいて緊密な連携を継続する。
両国は、経済が多面的協力関係の柱であり、連携の効率を高め、2030年までのベトナムとロシアの協力開発マスタープランに早期に合意して展開するため、問題の解決に取り組むことを確認した。
両国はまた、ベトナム・ユーラシア経済連合自由貿易協定を最大限に活用し、貿易障壁の撤廃に取り組み、両国の貿易条件を緩和して、ベトナムの消費財と農水産物のロシア市場への輸出を促進し、インフラとエネルギー分野における投資協力を促進させる。
ベトナムとロシアは、新たな安全保障上の課題に対応するため、安全保障分野での協力を拡大し、安全保障に関する多国間フォーラムでの連携を強化し、ASEAN主導のメカニズムによってアジア・太平洋地域並びに世界の平和と安定、安全に貢献する。
教育訓練、科学技術、観光、労働、文化、芸術、スポーツなど様々な分野での協力を促進し、両国の包括的な戦略的パートナシップの基盤を強化するために、地域や国民の交流を促進し、新たな世代の育成をすすめる。
今回、両国の省庁や企業によって11件の協力文書が署名され、両国関係の発展に向けた原動力が生み出された。
両国首脳は、相互に関心のある国際的または、地域的問題について率直で信頼できる意見交換をおこなった。両国は、国際法と国連憲章に基づく公平な国際関係の構築、特に、武力による威嚇や武力行使を認めず、内政干渉を伴わない平和的な紛争の解決を支持することを確認した。
南シナ海に関して、両国は、航行の自由と安全を確保し、武力の使用や威嚇を認めず、国連憲章および、国際法、特に1982年の海洋法に関する国連条約(UNCLOS)の原則に従い、南シナ海における各当事国の行動に関する宣言(DOC)を十分かつ効果的に実施し、南シナ海行動規範(COC)の早期締結を支持する。
外務省のブイ・タイン・ソン大臣は、今回のプーチン大統領のベトナム訪問が平和、友好、協力、発展のために、国際社会に積極的に参入し、国際社会の友人であり、信頼できるパートナーであり、責任ある一員であるベトナムの独立した、自主的な多国間外交という外交方針を示すものだと述べた。
「プーチン大統領の公式訪問は、ベトナムが常にロシアを最も重要なパートナーの一つと考え、既に確立されている両国の包括的な戦略的パートナシップの枠組みにおいて、伝統的な交友関係をさらに強化したいと考えていることを示しています」とブイ・タイン・ソン外務大臣は述べた。
出典:2024/06/22 VNEXPRESS提供
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