ナムディン省総合病院は5月4日、SNS上で拡散された「治療に十分な所持金を示せなかった子どもの救急治療を拒否した」とする告発について、事実ではないと緊急発表した。
SNS上で拡散「金がなければ救えないのか」
5月3日午後、ナムディン省で4歳の男児がトラクターにはねられる事故が発生した。加害車両は現場から逃走し、近くにいた地元住民が男児をナムディン省総合病院へ搬送した。その時男児の家族は、現場付近にいなかった。
男児を病院に運んだT.T.さんは、「50万ドンしか持ってなかったので、医療スタッフから“治療費を保証できなければ処置できない”と言われた」とSNSに投稿。病院に到着してもなかなか治療を受けられなかったと、SNS上に動画と共に不満を投稿した。
この投稿はSNSで広く拡散され、多くのネットユーザーから「医療倫理に反する」「命より金を優先するのか」といった批判の声が上がった。
病院側「処置は速やかに行われた、誤解の可能性」
この件に関して、ナムディン省総合病院は翌4日、詳細な報告書を発表。報告によると、被害を受けた男児は5月3日16時03分に病院に搬送され、すぐに整形外科医と外科医が診察を行った。CTスキャンやX線検査、超音波検査などが順次実施され、16時40分にはすべての検査結果が確認された。
その後、医師による薬剤投与や点滴などの処置が行われ、同日17時45分には中央小児病院(ハノイ)へ搬送された。
病院によれば、被害男児を連れてきた男性は一時金として50万ドンを支払い、病院側は、治療のための追加の支払いは求めておらず、病院のシステム上でも追加の入金なしに診療が継続できる体制だったという。
また、当直の医療スタッフによると、「全額支払わなければ処置できない」といった発言はしておらず、事務的な説明の中で誤解が生じた可能性があるとしている。なお、患者の家族から病院への苦情は出ていない。
保健省が報告を要請、厳格な対応を強調
一連の騒動を受け、保健省医療管理局のハー・アイン・ドゥック局長は、ナムディン省衛生局および病院に対し事実関係の早急な確認と報告を要請した。
ドゥック局長は「交通事故など緊急性の高い事案においては、治療費の有無にかかわらず直ちに救急治療を行うことが、医療現場の基本原則である」と強調している。
病院側は今後も関係職員への調査を続け、仮に規定違反があれば厳正に対処するとしている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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