【観光】ロシア人観光客が再びニャチャンへ

観光業回復に明るい兆し、訪問者数と収入が大幅増加

ロシア人観光客が再びニャチャンを訪れ、ベトナム・カインホア省の観光業回復に明るい兆しをもたらしている。

2025年5月28日、カインホア省文化・スポーツ・観光局のグエン・バン・ニューアン局長は、同省が2025年初めの5か月間で延べ460万人以上の宿泊客を受け入れ、前年比19.3％増を記録したと発表した。これは、2025年の年間計画の39％に相当する。中でも注目されるのは、ロシア人観光客の大幅な増加である。

外国人観光客の増加が追い風に

国際線利用者は220万人超、国内旅行者も堅調に推移

同局によると、同期間中の外国人観光客数は約220万人、前年比10.8％増。国内旅行者も約240万人に達し、28.5％の増加を示した。観光収入も約2兆3,651億ドン（前年比18.2％増）に達している。

ロシア人観光客の戻りが顕著

チャーター便と定期便で安定した訪問、長期滞在と高消費傾向

副局長のクン・クイン・アイン氏は、「カインホア省へのロシア人旅行者数は今後さらに増えると予想されています」と述べた。2025年第1四半期だけでも、ロシア人観光客数は約4万9,100人に達し、前年比110.74％の急増となった。

2025年5月時点では、週16便のチャーター便と3便の定期便が、ロシアからカムラン空港へと運航されている。ロシアはカインホア省にとって重要な市場の一つであり、平均滞在日数は7～14日と長く、高級リゾートやスパ、グルメ、娯楽への支出が多いという。

課題はロシア語人材の不足と競争激化

観光商品は夜間サービスに課題も

アイン氏は「カインホア省にはすでにロシア市場に対応可能なホテル、リゾート、レストランなどでサービス人材が揃い、回復への土台が整っている」と強調した。

一方で、ロシア語対応が可能な観光人材の不足が深刻であり、対応力の強化が求められている。加えて、タイ、モルディブ、トルコなどロシア市場を積極的に狙う他国との競争も激化している。

「カインホア省の観光商品は、ロシア人の期待に対してまだ十分ではありません。特にナイトエンターテイメントの拡充が不十分です」とアイン氏は指摘する。

ホテル業界も対策強化

旧パートナー復活と割引キャンペーンで誘致に注力

カインホアホテル協会のグエン・ティ・ウエン・チー副会長は、かつてロシア人観光客を送客していた旅行会社が再び戻り始めており、より多くのツアーや宿泊枠を求めていると述べた。

2025年夏の集客に向けて、ニャチャン市内のホテルはさまざまなキャンペーンを展開しており、10泊で1泊無料や短期滞在者向け食事サービスなどのプロモーションも存在する。

滞在ニーズに応える地域の強み

ロシア人に人気の料理・商品を的確に提供

PEGAS MISR VIETNAM TRAVEL社のホアン・ティ・フォン・トゥ代表は、「ロシア人観光客の受け入れには、ロシア語が堪能で国際ガイド資格を有する人材が必要不可欠です」と述べた。

ロシア人旅行者は、平均12日滞在し、新鮮なシーフードや熱帯フルーツ（マンゴー、ドラゴンフルーツ、バナナ、パパイヤ、パッションフルーツ、ココナッツ、コーヒー）を好む傾向がある。

「ロシア人はベトナム製の軽工業品や民芸品、バッグ、真珠、漆器、刺繍製品などに強い関心を持っており、ニャチャンではこうしたニーズにも十分応えられます」とトゥ氏は話している。

観光関連記事
【観光】農村体験でアヒルマッサージ
【観光】空飛ぶタクシー試験導入を提案
【観光】インド人観光客誘致に注力