ベトナム航空の国際線事業が成長を続けている。2026年上半期の連結売上高は75兆3,120億VND(約4,600億円)となり、前年同期比で28%超増加した。国際旅客数も18.8%増加し、全体の旅客数を上回る伸びを示している。
ベトナム航空は国際線ネットワークの拡大を進める中、8月10日にはオーストラリア路線の運航開始35周年を記念するイベントを開催する。国際線の拡大は、ベトナム航空の業績回復を支える重要な柱となっている。
上期売上高75兆3,120億VND、利益も拡大
ベトナム航空が公表した2026年上半期の業績によると、連結売上高は75兆3,120億VNDとなり、前年同期比で28%超増加した。連結利益は3兆8,520億VNDとなった。
親会社単体では売上高が56兆2,740億VNDと前年同期比で約19%増加し、利益は2兆8,770億VNDとなった。
航空業界では地政学的情勢や燃料価格、各種コストの上昇が経営上の負担となっている。特に第2四半期には中東情勢を背景に燃料価格が上昇したが、ベトナム航空は利益を確保した。
同社は運航計画の調整やコスト管理などを通じて、変動する事業環境への対応を進めている。
国際旅客18.8%増、全体の伸びを上回る
2026年上半期、ベトナム航空は8万便を超えるフライトを運航し、1,300万人以上の旅客を輸送した。旅客数は前年同期比4%増となった。
貨物輸送量も18万トンを超え、前年同期比10%増加している。
中でも注目されるのが国際旅客の伸びである。上半期の国際旅客数は約480万人となり、前年同期比18.8%増加した。
全体の旅客数の伸び率を大きく上回っており、国際線が同社の旅客・収益拡大を牽引していることがうかがえる。
欧州・アジア・豪州で国際線を拡大
ベトナム航空は国際線ネットワークの拡充を進めている。
新たな路線としてオランダのアムステルダムやタイのプーケットへの路線を展開する一方、シンガポール、フィリピンのマニラ、ロシアのモスクワ、台湾の高雄、オーストラリアのメルボルン、シドニーなど主要路線でも運航頻度を増やしている。
国際線の拡大は、観光客だけでなく、ビジネスパーソン、専門家、留学生など幅広い需要を取り込むことにつながる。
また、路線網を多様化することで、保有機材の稼働率を高めながら収益源を分散できる点も、航空会社にとって重要である。
豪州路線は運航開始から35周年
こうした国際線戦略の中でも、オーストラリアはベトナム航空にとって長期的に開拓してきた重要市場の一つである。
同社は2026年8月10日、オーストラリアで両国間の路線開設35周年を記念するイベントを開催し、3万5,000便目の運航と累計750万人目の旅客を記念する。
現在、ベトナム航空はハノイ、ホーチミン市とシドニー、メルボルン、パースを結ぶ5路線を運航している。
ホーチミン市―シドニー線とホーチミン市―メルボルン線は毎日運航。ハノイ―シドニー線とハノイ―メルボルン線は週4往復、ホーチミン市―パース線は週3往復となっており、合計で週25往復を運航している。
ベトナム―豪州間の航空需要も拡大
2026年1~5月のベトナム―オーストラリア間の航空市場は、旅客数ベースで75万7,200人となり、前年同期比6.5%増加した。
このうち、両国間を直接移動する旅客は67万5,300人で、前年同期比10.3%増となっている。
観光需要も旺盛で、2025年にはオーストラリアからベトナムを訪れた旅行者が約54万8,000人に達し、ベトナムにとってオーストラリアは主要な訪問客市場の一つとなっている。
2026年上半期もオーストラリア人訪問客は33万6,656人となり、前年同期比22%増加した。
観光だけでなくビジネス・留学需要も
ベトナムとオーストラリアを結ぶ航空路線は、観光客だけを対象としたものではない。
両国間ではビジネス、投資、留学、親族訪問など幅広い人の移動が発生している。オーストラリアはベトナム人にとって重要な留学先の一つであり、現地には大規模なベトナム人コミュニティも存在する。
そのため、ベトナム航空にとって豪州路線は観光需要だけでなく、留学や家族訪問、ビジネスなどを含む安定した需要を取り込める市場となっている。
2025年のベトナムとオーストラリアのモノ・サービス貿易は約300億豪ドルに達しており、両国が包括的な戦略的パートナーシップの下で経済関係を強化する中、人の往来がさらに増加する可能性もある。
ブリスベン線の開設も検討
ベトナム航空は今後もオーストラリア市場を拡大する方針である。
同社は既存路線の増便を進めるとともに、ホーチミン市―ブリスベン線の新設についても検討している。これにより、オーストラリア国内でのネットワークをさらに充実させ、観光だけでなくビジネスや貿易などの需要にも対応する考えである。
3万5,000便目、750万人目の旅客という節目は、単なる35周年記念にとどまらず、30年以上にわたって市場を開拓し、路線と運航規模を拡大してきた結果でもある。
「航空会社」から国際的な移動ネットワークへ
今後のベトナム航空にとって、路線数や便数を増やすだけでなく、航空路線を取り巻く観光・物流・サービスなどの「エコシステム」を構築できるかも重要になる。
8月10日の記念イベントでは、ベトナムとオーストラリアの観光、航空、サービス関連企業が協力協定を締結する予定である。
航空路線は、航空会社だけで完結するものではない。旅行会社、ホテル、観光振興機関、サービス事業者などが連携することで、新たな旅行商品や観光需要を生み出すことができる。
ベトナム航空も2026年下半期について、2桁成長の売上高を維持しながら、国際市場の拡大、コスト管理、燃料価格の動向への対応を進める方針である。サービス品質の向上に加え、デジタル化やAIの活用も強化する。
国際線拡大を持続的な成長につなげられるか
同社は長期的には、新世代のナローボディー機50機の導入計画や、ロンタイン国際空港に関連する投資プロジェクトも進めている。
こうした機材・空港インフラへの投資は、今後の路線網拡大を支える基盤となる。
一方、航空業界では燃料価格など外部環境によってコストが大きく変動する。上半期に28%超の増収を達成したベトナム航空にとって、今後の課題は旅客数の拡大を一時的な回復にとどめず、持続的な収益成長につなげることである。
国際旅客が18.8%増加する中、国際線ネットワークは今後もベトナム航空の成長戦略における重要な柱となりそうだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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