ベトナム国家賃金評議会が平均7.2%の最低賃金引き上げを提案
ベトナム国家賃金評議会は、2026年1月1日から地域別最低賃金を7.2%引き上げる案を提出した。引き上げ幅は地域によって月額25万~35万VNDとなる。
具体的な提案内容は下記の通り。
- 地域I:月496万VND → 531万VND(+35万VND)
- 地域II:月441万VND → 473万VND(+32万VND)
- 地域III:月386万VND → 414万VND(+28万VND)
- 地域IV:月345万VND → 370万VND(+25万VND)
労働者に活力、企業には課題
内務省次官で賃金評議会会長のグエン・マイン・クオン氏は、「この引き上げは経済成長8%を目指す国家方針に沿った、妥当な水準である」と評価する。労働総連盟のゴー・ズイ・ヒウ副会長も、「労働者の生活を後押しする適正な提案だ」と述べた。
一方で、中小企業への影響も懸念されている。私立病院協会のグエン・バン・デー会長は「大企業は、既に最低賃金を超えた額を支払っているが、中小・零細企業にとって最低賃金の引上げは負担が大きい」と発言した。
「生活できる賃金」への期待も
ホーチミン市選出の国会議員グエン・クアン・フアン氏は、「最低賃金は本来、労働者が生活できる水準であるべき」と強調。「都市部では提案額でも十分とは言えない」と指摘した。また、「最低賃金引き上げに伴い、保険料・教育・医療・住宅コストの見直しも必要になる」と述べた。
実際、2025年3~4月に行われた労働総連盟の調査によると、約55%の労働者が「給与は家族が基本的な生活をするのにギリギリだ」と回答した。また、約26%が「倹約しないと生活が難しい」と答え、約8%は「生活が成り立たず副業が必要になる」と答えている。
このような現状を踏まえ、「単なる数字の引き上げではなく、実質的な生活改善につながる最低賃金制度の実現」が求められている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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