ベトナム人、高スキル職への採用ゼロ
2025年上半期、旧ホーチミン市において、高度人材の求人1万1,971件が公開されたが、1人のベトナム人も採用されなかったことが明らかになった。
この事実は、7月28日にホーチミン市雇用サービスセンターのグエン・バン・ハイン・トゥック所長が公表した統計で明らかになった。同統計は、2025年1月1日から6月30日にかけて旧ホーチミン市域で行われた高スキル人材募集に基づいている。
外国人採用を想定した職種に、ベトナム人が応じきれず
求人は、政府の2023年政令70号に基づき、「外国人労働者採用予定のポジション」に対して、まずベトナム人を15日間優先的に募集する制度を活用したものだった。企業からは2,690件のベトナム人向け高スキル求人の通知があった。
しかし、6月には2,391人のベトナム人求職者が応募・接触したものの、採用に至ったケースはゼロだった。
高い語学・実務経験が壁に
この背景について、トゥック所長は「求人情報のベトナム人求職者への認知不足もありますが、企業側の要件が非常に厳しいことが採用に至らない主な原因です」と説明する。企業の求人条件は、「2カ国語話者」「国際的な業務経験」など、複数の要素を満たす必要があるため、現時点で国内人材が対応しきれていないという。
実際、求人数1万1,971件のうち、約984件は管理職や専門技術職であった。平均給与は5200万VNDであり、ベトナム国内としては非常に高待遇である。
国際企業からも高スキル職の需要
たとえば、NVIDIAベトナム社は「システムソフトウェア部門ディレクター」を月給3億7,500万ドン(約226万円)で募集した。条件は、15年以上のソフトウェア分野での職務経験、そのうち7年はマネジメント経験、英語の高度な運用力など、11項目に及ぶ。
また、Samsung Vina保険会社は「ゼネラルマネージャー」を月給8,000万ドン(約48万円)で募集しているが、海外大学卒業や、外国保険会社での3年以上のマネジメント経験が求められるなど、極めて専門性の高い内容であり、ハードルは高い。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN