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【社会】マンションで相次ぐ「電動車お断り」は合理的か?

マンションの地下駐輪場に駐車されている電動二輪車
(C)THANH NIEN

ホーチミン市内の一部マンションが、電動バイクや電気自動車の駐車を一切認めないという通知を住民に出し、物議を醸している。
管理側は「地下駐車場での充電やバッテリー特性により火災の危険がある」と説明するが、この対応は住民の利便性を損なうだけでなく、市や国家が掲げるグリーントランスポート推進政策にも逆行している。

科学的データでは「EV火災は稀」

実際のところ、電動車の火災リスクはガソリン車に比べてはるかに低いとされる。
たとえばスウェーデンの防災庁の調査(2023年)によれば、ガソリン・ディーゼル車の火災発生率は電動車の20倍に達した。
また、オーストラリアのEV FireSafeによると、2010年から2023年までに世界で確認されたEV火災はわずか393件で、稼働しているとみられる電動車全体の0.0012%に過ぎない。これはガソリン車の推定火災率(0.1%)より80倍低い水準である。
保険会社AutoInsuranceEZの統計でも、10万台あたりの火災発生件数はハイブリッド車3,474件、ガソリン車1,530件に対し、純粋なEVはわずか25件であった。

「EVは目新しさゆえに注目されやすい」

専門家は「EVはまだ新しい技術であるため、事故や火災が発生すると過大に報道され、危険性が誇張されやすい」と指摘する。
IIHS(米国道路安全保険協会)の調査では、EVの安全性はガソリン車と同等かそれ以上と評価されており、Euro NCAPでも高い安全基準をクリアしている。
また、ガソリンは-43℃という低い引火点を持ち非常に燃えやすい一方、EVのリチウム電池は頑丈な金属ケースに収められており、衝撃や外部熱源がない限り容易に発火しない。

実際のリスクは「電源設備の不備」

研究者によれば、EV火災の大半は車両そのものではなく、古い住宅やマンションにおける電気設備の不備に起因している。
ホーチミン市研究開発院(HIDS)のレ・タイン・ハイ氏は「老朽化した配電網や不適切な配線が原因で事故が起きている」と述べ、住宅オーナーや自治体に電力インフラの改善を求めている。

市の対応方針 ― 「充電の権利」を保障へ

ホーチミン市当局は、老朽マンションを対象に電力会社・建設局・消防局などによる合同調査チームを設け、基準を満たす建物には迅速に充電設備を導入できる仕組みを検討している。
市は「市民の充電する権利を確保することがグリーントランスポート推進の前提である」と強調し、利便性と安全性を両立させる政策を進める方針である。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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