AIカメラの試験導入で多数の違反を検出
公安省交通警察局(CSGT)のグエン・バン・ムン少将によれば、同局は最近、ハノイのファムバンバック通りやノイバイ—ラオカイ高速道路にAIカメラを試験設置し、ルーバンルオン通りでも導入を進めている。初期の運用結果は好調であり、今後数千台規模で全国展開する予定である。
所有者不明の旧型バイクが大きな壁に
しかし、AIカメラを用いた自動違反処理は困難を伴っている。ベトナム全国には、約6万9,000台にのぼる所有者未特定のバイクが存在し、特に3桁・4桁プレートの古い車両は所有者の確認が難しい。これらの車両は老朽化や解体、複数回の売買、所有者の死亡や国外移住などにより、データ照合が困難なケースが多いという。
年末までに車両データを精査へ
交通警察局は、2025年末から2026年初頭にかけて各地方警察と連携し、登録データの総点検を行う方針だ。廃車や実際に走行していない車両をデータベースから削除し、現存する車両には識別コードを付与して管理を強化する。また、車両登録情報のデジタル化や運転者識別コードの整備を進め、2025年12月31日までに「正確で完全、かつ最新の有効な車両データベース」を構築することを目標としている。これにより、AIカメラで検出した違反の追跡・処理を可能にする狙いである。
現場の課題と期待
AIカメラは短期的には違反検出能力を高め、交通秩序の改善に寄与する可能性が高い。一方で、未登録・所有者不明車両の存在やデータ品質の問題が解決されない限り、自動違反処理の実効性は限定的である。関係当局はデータ整備と並行して機材の全国展開を進め、違反抑止と安全確保の両立を図る方針である。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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