「カラオケで1億6千万VND罰金」の噂が拡散
移動式大型スピーカーを使ったカラオケが、最大1億6千万VNDの罰金対象になるらしい・・・
このような情報が、2025年12月15日施行の政令282号をきっかけに、SNSやネット掲示板で広がり、不安の声が相次いでいる。
近年、住宅地での大音量カラオケによる騒音公害は深刻な社会問題となっており、新政令はその是正策として注目されている。
「歌っただけで重罰」は誤解
この点について、ホーチミン市弁護士会所属のグエン・フン・クアン弁護士は、「政令282号は、移動式スピーカーでのカラオケ行為そのものを禁止しているわけではない」と指摘する。
処罰対象となるのは、法令で定められた騒音基準(dBA)を超えた場合のみであり、「歌えば即高額罰金」という理解は誤りである。
罰金は「超過dBA」に応じて段階的
政令282号(2022年政令45号第22条を引用)では、騒音基準の超過幅に応じて、以下のように細かく罰則が設定されている。
・警告処分
・罰金
以降、10dBA超から段階的に2,000万~4,000万VND
4,000万~6,000万VND
6,000万~8,000万VND
8,000万~1億VND
1億~1億2,000万VND
1億2,000万~1億4,000万VND
が科される。
「1億6千万VND罰金」が適用されるケース
問題となっている最大1億6千万VND(約95万円)の罰金について、クアン弁護士は次のように説明する。
「騒音基準を40dBA以上超過した場合に、1億4,000万~1億6,000万VNDの罰金が科される」
つまり、これは極めて大音量の騒音行為に対する最高水準の罰金であり、一般家庭での通常のカラオケ利用が直ちに該当するものではない。
事業者・団体は罰金が倍に
さらに重要な点として、これらの罰金額は個人に対する基準である。
事業者やイベント主催団体が同様の騒音違反を犯した場合、罰金は個人の2倍となり、最大3億2千万VNDに達する可能性がある。
加えて、騒音を発生させる活動の3~12か月停止といった行政処分が科されることもある。
誰が取り締まり、どう測定するのか
騒音被害が発生した場合、対応するのは各レベルの人民委員会主席および警察である。
住民は、街区や村レベルで迅速に通報・対応を求めることができる。
ただし処罰は、単なる主観ではなく、技術的根拠に基づく測定が必須とされている。
騒音測定は「検定済み機器」で実施
クアン弁護士によると、騒音測定は定期的に検定された専用測定器を用い、dBA単位で行われる。
測定結果は、
- 測定場所(住宅地、病院、学校など)
- 測定時間帯(昼間・夜間)
といった地域・時間別の基準値に基づいて評価される。
同じ音量でも、夜間の住宅地では、より厳しく処分される仕組みである。
不服があれば異議申し立ても可能
測定結果や処分内容に納得できない場合、市民には法的な救済手段が用意されている。
まず、処分を出した機関に対して第一次不服申立てが可能であり、それでも解決しない場合は、上級機関への申立て、または管轄人民裁判所への行政訴訟を提起できる。
このような手続きを通じ、権限の濫用を防ぎつつ、政令282号は生活環境の改善を目的とした法的枠組みとして運用されることになる。
本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















