ハノイ中心部の列車運行を停止すべきか インフラ返還要請で議論に
ハノイ市、旧市街再開発のため鉄道インフラの返還を要請
世界では多くの都市で鉄道駅が中心部に位置し、都市交通や広域鉄道網との結節点として機能している。
一方、ハノイ市人民委員会はこのほど建設省に文書を送り、ハノイ駅~ザーラム駅間の国鉄インフラを返還するよう要請した。これは、旧市街周辺の歴史・文化・建築空間を再整備・再開発するための措置である。
市の提案によれば、ザーラム駅~ハノイ駅の区間は2026年第2四半期までに国鉄側から返還され、旧市街西側およびタンロン皇城中心部東側の都市再生計画に活用される見通しである。
しかしこの計画は、事実上 ハノイ駅およびザーラム駅を通る列車運行の停止 を意味する。
列車運行の停止が現実味 鉄道局は影響評価へ
ベトナム鉄道局のチャン・ティエン・カン局長は、鉄道総公社と協力し、ハノイ~ザーラム区間の運行停止に伴う影響評価と運行案の策定を進めると説明した。
鉄道総公社も、正式指示が出次第、同区間での列車運休案およびダイヤ変更案を詳細に検討するとしている。
現在、南北線の旅客列車はハノイ駅とサイゴン駅を発着しており、大きな影響はないとみられる。
しかし 、ハノイ駅からザーラム駅・イェンヴィエン駅方面へ運行している列車は、中心部が通過できないと大きな支障をきたす。
地方向け旅客列車が深刻な打撃
特に、
- ハノイ~ラオカイ線
- ハノイ~ハイフォン線
の地方向け旅客列車は影響が大きい。
ハノイ駅~ザーラム駅は都市の南北鉄道路線を結ぶ「中心貫通区間」で、毎日20本の旅客列車と6本の貨物列車が走行している。
もし区間運行が停止されれば、
- 北部方面の列車は ザーラム駅発着
- 南部方面の列車は ハノイ駅発着
となり、ハノイ中心部の利用者は 約10km離れたザーラム駅まで移動 しなければならなくなる。
鉄道側は「競争力喪失」を懸念
鉄道業界は3つの問題点を挙げている。
- ザーラム駅の規模不足
再整備してもハノイ駅ほどの乗客処理能力は見込めない。 - 中心部へのアクセス悪化
代替としてバスのシャトル輸送が必要となり、時間・コストが増加し、毎日数千人の乗客が影響を受ける。 - 車両整備の動線が断たれる
南部線の機関車や客車の整備拠点は北側のイェンヴィエン駅であり、ハノイ駅~ザーラム駅区間を通過できないと車両整備体制に支障が出る。
鉄道総公社の代表は、運行停止が避けられない場合でも「乗客にとって最適な案」を検討し、建設省に報告すると述べた。
ハイフォン線の「強み」が失われる可能性
ハノイ~ザーラム間では、ハノイ~ラオカイ線、ハノイ~ハイフォン線、さらにハノイ観光列車などが運行している。
特に ハノイ~ハイフォン線 は鉄道運輸会社の主要収益源で、
- 1列車あたり平均800人を輸送
- 所要約2.5時間
- バスと十分競争できる
ことが強みであった。
しかし、もし乗客が ザーラム駅まで30~40分の移動を強いられる ようになれば、この優位性は失われ、乗客離れが進むと鉄道側は懸念している。
本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN
















