この1か月間、ベトナムの名は世界有数の経済・観光メディアに相次いで取り上げられている。製造業の好調な指標、ハイテク輸出の拡大、外国直接投資(FDI)の流入、さらには観光業の急回復が評価され、「ASEAN屈指の成長国」との見方が強まっている。
「低コスト工場」からハイテク成長エンジンへ
2月2日、キプロス拠点の経済メディア Investing.com は、米S&Pグローバルの最新データを引用し、ベトナムの製造業購買担当者指数(PMI)が2026年初頭に力強い拡大を示したと報じた。1月は生産と新規受注がともに加速し、企業は増大する需要に対応するため生産を拡大しているという。
また、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)は、ベトナムが域内でも高い成長率を維持するとの見通しを示した。これは景気循環による一時的要因ではなく、以下の構造的変化に基づくものである。
- アジア太平洋地域におけるサプライチェーン再編の恩恵
- FDI受け入れ能力の向上
- ハイテク輸出の拡大
さらに、米ハーバード大学ケネディスクールの Growth Lab は、経済複雑性指数(ECI)を基に、今後10年で一人当たりGDP成長率が世界最高水準になる可能性があると指摘した。東アジアが世界成長の一極を形成し、その中でベトナムが主要な牽引役になるとの分析である。
イスラエルの投資分析サイト Seeking Alpha も、ベトナムはASEAN主要国の中で最も高い成長率を達成してきたと評価。電子機器・機械類が2019年以降、繊維製品に代わり最大輸出品目となり、輸出主導型経済への転換を強固にしたと報じた。
同サイトは、ベトナムが一人当たりGDPと株式時価総額の両面でフィリピンを上回ったとし、もはや「後発国」ではないと強調している。
シンガポールの投資会社Andaman Partnersによると、ベトナムの製造業付加価値(MVA)はGDPの24%を占め、タイと肩を並べる水準に達した。輸出額は4,030億ドルでASEAN2位となり、シンガポールに迫る規模である。
かつては「安価な労働力を提供する加工拠点」と見なされていたベトナムは、いまや「地域のハイテク成長エンジン」と評される存在へと変貌を遂げている。
観光でも存在感 テトが国際的注目集める
経済のみならず、観光分野でも国際的評価が高まっている。
米国の旅行専門メディア Travel And Tour World は、2月14日から21日の1週間でベトナム観光の記録的数値を5度にわたり報道した。
同メディアは、2026年のテト(旧正月)が国内外の旅行需要を強力に押し上げると分析。空港容量の拡充や地域接続性の改善により、ベトナムは競争の激しい世界観光市場での地位を強化していると評価した。
さらに、韓国、中国、インドからの旅行者が急増していると報じ、テトは「アジアで最も活気ある文化行事の一つ」と紹介。花市場や伝統的祝祭、街頭パフォーマンスの様子が詳細に伝えられた。
「一時的拠点」から戦略的中核へ
20年以上前、ベトナムは「人口ボーナスの恩恵を受ける低賃金国」として語られることが多かった。繊維・履物・単純組立が中心で、コスト最適化のための生産拠点との評価が一般的であった。
しかし現在、国際メディアの論調は明確に変化している。
ベトナムは低付加価値工程の担い手ではなく、複雑で高度な製造能力を備えたハイテク拠点として位置付けられつつある。
経済と観光の両面で評価を高めるベトナムは、ASEAN地域における存在感を一段と強めている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN





























