5月11日の夜、30人以上の感染者がでている新たなクラスターに関係しているとして、ダナン市ソンチャー区のアンドン工業団地が封鎖された。
この日の午後7時ごろ、ソンチャー区の警察と自警団がアンドン工業団地前の入り口ゲートに集結し、鉄柵をならべ『進入禁止』の封鎖線を張って、工業団地を封鎖した。この工業団地は1993年から活動している小規模工業団地で、人口密度の比較的高い地域にある。
入り口を封鎖した直後から、ソンチャー区によって動員された医療スタッフによって工業団地内で働いている1000人以上の労働者を対象に検査用サンプルの採取がはじめられた。また、工業団地周辺で生活や商売をしている住人200人以上に対しても検査用サンプルの採取が行われた。検査部隊は、椅子を2m以上の間隔をあけて並べ、対象者に対して問診をおこなった上で、サンプルの採取をおこなっていった。
工業団地の入り口ゲートの前では、一時的に隔離される必要がある人の家族が差し入れのために大勢集まった。あまりに混雑が激しくなったため、警察が距離を取るように全員に警告する必要が何度もあった。夜間シフトで働いていた労働者に対しては、会社内にとどまるように指示が出され、検査サンプルが採取され陰性結果が出た人だけが帰宅を許された。
封鎖の現場に立ち会ったソンチャー区人民委員会の幹部は、今日の午後になって陽性と疑われたアンドン工業団地で働く女性のF1として100人近くが検査を受け、それとは別にソンチャー区で19人の陽性と他の区で20人以上の感染疑いのケースが確認されたと説明した。
同日の23時30分になって、医療スタッフによる検査サンプルの採取作業が一旦終了となった。白い防護服を着た多くの医療スタッフ達は、医療施設へ検査サンプルを運ぶ救急車に乗り込むと、疲労のためにすぐに眠りに落ちた。ソンチャー区人民委員会のホアン・コン・タン副主席は、今夜の作業によって工業団地内で500人分と工業団地周辺の住宅で200人分の検査サンプルを採取したと発表した。
ダナン市人民委員会のレ・チュン・チン主席は、ダナン市内の各地区の人民委員会に対して、感染が疑われるケースのF1を速やかに隔離するために全力で追跡をおこなうよう求めている。11日夜に採取された検査サンプルの検査結果は5月12日に出る予定だ。
ソンチャー区人民委員会のフィン・バン・フン副主席によると、医療スタッフ、警察などからなる追跡グループが、5月10日と11日の夜にF1の追跡調査を行った。その結果、ドンアン工業団地の女性労働者のF1である97人以外に、その他の感染が疑われるケースのF1として120人以上が特定された。
フン副主席によると、5月12日の午前5時30分に、軍の第5管区の化学部隊が、工業団地全体と周辺の住宅地の消毒作業を実施する。8時からは、医療スタッフによって昼間のシフトで働く労働者のサンプル採取が行われ、数千人規模のサンプルが採取される見込みとなっている。
ソンチャー区人民委員会幹部によると、アンドン工業団地の女性労働者の感染源はまだ特定されていないが、この女性に関連した感染疑いによりアンドン工業団地内で新たなクラスターが形成されている。この女性が働いていたのは研究室で、密閉された空間で空調を使用していたため、感染リスクの高い場所であった。
追跡調査の結果によるとこの女性は、5月3日にまだダナン市が遊泳禁止措置を出していなかったファン・バン・ドン通りの多くの人で賑わうビーチを訪れていた。その後、この女性はグエン・カック・カン通りの部屋に戻ったところで熱っぽい症状を感じたが、解熱剤を飲んで、そのままグエン・タット・タン通りまで遊びに出掛けた。
その数日後、この女性は仕事に出かけて多くの人と接触した。出勤後も咳、倦怠感、声が出にくいなどの症状が出たので、早退して家に帰った。5月9日になっても咳や倦怠感が続いたため仕事を休んだが、夜にはハン川の畔に遊びに出かけている。5月10日、熱が高くなったのでソンチャー区の医療センターで診察を受け、PCR検査を実施したところ翌日に陽性が確認された。
5月3日から現在までの期間で、ベトナム保健省はダナン市内で53人の市中感染を確認したと発表している。また、ダナン市は5月11日に7人の感染が疑われるケースを確認したと公表している。5月11日の夜に検査を実施したケースについては、現在、集計が行われている。
出典:12/05/2021 VNEXPRESS
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