ベトナム労働総同盟は、現行の地域ごとの最低賃金を7月1日から21万5000VND~35万4000VND引き上げることを提案した。この提案による最低賃金の引き上げ率は7~8%となる。
4月12日に開催された全国賃金評議会の第2回会合で、ベトナム労働総同盟側は、2年間最低賃金が据え置きとされたことを受けて、上記の引き上げ率が適切であると提案した。ベトナム労働総同盟は、労働者はCOVID-19の影響で収入が減少しており、物価の上昇も踏まえると今回の提案が許容範囲の閾値だとしている。
「過去数日間、早朝から労働者が社会保険の支給を受けるために長蛇の列を作っている状況は、合理的な地域の最低賃金について議論が必要なことを示しています。」と組合側の代表者は話す。
2022年7月1日から実施する提案について、ベトナム労働総同盟政策法務部のレー・ディン・クアン副部長は、長期間据え置くことで1回の引き上げ額が大きくなれば企業へ与える衝撃が強くなりすぎると説明する。2022年第1四半期のGDP成長率は5.03%で、その他の経済指標も企業の回復力が高まってきていることを示している。
最低賃金の引き上げ時期については、3月28日の第1回会合でも話し合いが行われた。ベトナム商工会議所(VCCI)の代表者は、企業の会計年度に即して2023年1月からの改定を主張した。今年の年初に企業側は退職者数を補うために、新たな労働者を雇う際に混乱が生じていた。そのため、2023年1月から最低賃金の引き上げを実施する方が、企業にとっては労働者を採用して年間の生産を安定させるのに役立つとしている。最低賃金の引き上げ時期が7月1日からだと時期が早すぎて企業側を困難な立場に追いやる可能性があるとしている。
地域ごとの最低賃金は、企業が労働者と交渉して決定する賃金の最低レベルを定めている。この制度は、労働法の労働契約制度に基づき、ベトナム国内のあらゆる企業、機関で働く労働者に適用される。
最低賃金は2020年1月1日に、地域Ⅰが442万VND、地域Ⅱが392万VND、地域Ⅲが342万VND、地域Ⅳが307万VNDに引き上げられ、その後改定されていない。
2021年の労働組合研究所の調査によると21%の労働者がインスタントラーメンの食事回数が増加し、48%が毎日の食事の肉の量が減り、22%が毎日食品を買う代わりに、親戚からの仕送りに頼るようになり、15%が食事の回数を減らし、60%が生活費を切り詰める必要があり、11%が親戚から借金する必要があり、0.3%は、闇金融から高利で借金をしている。
出典:12/04/2022 VNEXPRESS
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