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【社会】配偶者がメッセージをチェックする行為は家庭内暴力に該当するか?

(C) VNEXPRESS

レ・ミン・ナム国会議員は、夫婦がお互いのメッセージをチェックしたり、隣人を美しいと褒めたり、帰宅しても会話しないなどの行為は家庭内暴力(DV)にあたるとの見解を述べた。

5月31日の午後、国会での家庭内暴力(DV)の防止と管理に関する改正法草案に関する議論の中で、レ・ミン・ナム議員は、家族に精神的な影響を与える行為として夫婦で相手のメッセージ内容をチェックすることや子供を他人の子供と比較するなどの行為もDVとして草案に追加するように求めた。

ナム議員によると精神的な暴力は陰湿で危険であり、生涯にわたって精神的な苦痛を与える可能性がある。両親は子供を愛する一方で、自分の子供を他人の子供と比較してイライラしたり叱ったりすることもある。この行為は、子供をより良くしたいという愛情から生まれているが、子供にとっては悪影響となる可能性もある。

この法案は人権との関連が密接なため、ナム氏は改正法草案検討委員会に対して人権に関する憲法の規定を遵守し、子供の権利法、結婚と家族法、民法との整合性をとり、より実現可能な内容とするために、内容の再検討をおこなうように提案した。

ファン・ティ・ミー・ズン議員は、判別が難しくかつ精神的にダメージを与える心理的な暴力行為の例として、夫が帰宅してから一切喋らなかったり、一日中隣の奥さんを美人で思いやりがあると褒め続けたり、家にいる間、理由もなくイライラした態度を見せるなどの行為をあげた。
「これらの行為は一般的に行われていますが、ベトナム人は家庭内の事情を表に出すことを避ける文化があります。そのため、法律によって家庭内暴力に曝されている人々への相談方法や解決方法などを規定する必要があるのです。」とズン議員は述べた。

文化・スポーツ・観光省のグエン・バン・フン大臣も肉体的暴力や経済的暴力は比較的判別しやすいが、精神的な暴力を判別するのは容易ではないとの考えを示した。審議会で草案を議論する前に社会委員会に報告をおこなった際、委員会のメンバーから最近では、多くの夫が妻からもっと多く稼いだり出世するようにという圧力を受けていると指摘したうえで「これは精神的な暴力にあたりますか?」と聞かれたとフン大臣は問題提起する。

一方で、カインホア省弁護士協会の会長でもあるレ・スアン・タン議員は、どのような状態をDVと規定するかを具体的にする必要があると指摘した。欧米諸国の考えるDVとベトナムのDVとは異なるものであるため、限度を明確に規定する必要があるとタン議員は主張する。「この法律は、女性だけを守るものではありません。現代社会では多くの男性も家庭内の圧力にさらされており、法令は双方を考慮したものでなければなりません。」とタン議員は述べた。

家庭内暴力の防止に関する議論で、ホーチミン市食品安全管理委員会の委員長でもあるファン・カイン・フォン・ラン議員は、映画、漫画、小説などにおける家庭内暴力の描写を管理する必要があると主張した。最近の多くの映画やドラマでは、夫が妻を殴ったり、嫉妬に狂った妻が浮気相手に硫酸をかけたりするシーンが描かれているとして、「このような映画はDVを日常的なものとして描いており、これを見た多くの青少年に悪影響を与える可能性が高いです。」とラン議員は述べた。

元検察庁副長官のチャン・コン・ファン議員は、国家は家庭を壊すのではなくより良くする方向で介入するように規定する必要があると主張した。もしDVが発生すれば、すぐにお互いの接触を禁止し、被害者の意見に関係なく、行政処分を与えるか逮捕すべきというようなことになれば、それは、返って更に被害者家族を苦しめることにもつながるとファン議員は述べた。

「行政処分は金銭的な影響を与え、逮捕収監となれば誰が家族を養うのか?」とファン議員は述べ、草案にはベトナム人家族の伝統的な価値観の要素も入れるべきだと主張する。行政処分や逮捕収監は、外国人ならそれでいいかもしれないが、ベトナム人の場合は、状況に応じて和解から治療まであらゆる面で高度な対応が必要だとファン議員は述べた。

家庭内暴力防止改正法の草案によると、DVとみなされる行為には、拷問、虐待、暴行行為および、意図的に相手の健康や生活に被害を与える行為、相手を侮辱したり、故意に名誉や人格を傷つける行為、肉体的または精神的な苦痛を与えるために日常的に相手を孤立させる圧力をかける行為、家庭内の高齢者、妊婦、赤ちゃん、障がい者、病人の世話を放棄する行為などが含まれている。

他にも子供に教育を与えない行為、財産分与の際に性別によって差別する行為、家族の性別や体形を侮辱する行為、家族が社会活動に参加するのを妨害する行為、家族の同意なしに個人情報や画像を公開する行為、性的関係を強要する行為、卑猥または暴力的な音声を聞かせたり、画像を見ることを強要する行為などもDVとされる。

4月中旬の国会の常任議会でブーン・ディン・フエ議長は、強制的な胎児の性別選択(中絶)行為が女性の健康と精神に被害を与えるとしてDV規定に追加すべきだと提案した。また教育訓練省のグエン・キム・ソン大臣も、両親が子供への教育の責任を果たしていなかったり、子供への教育に極端な方法をとることもDVの一種であると提案した。第3回の国会に提出された草案には、上記の2つのDV行為が追加された。

家庭内暴力(DV)の防止と管理に関する改正法草案は、初めて国会に提出され、6月14日の議会で議論されることになっている。

出典:31/05/2022 VNEXPRESS
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