8月1日からベトナム大手通信アプリZaloの無料ユーザーは、友達登録が最大1000人までに制限され、友達登録されていない人とのメッセージは月に40人までに制限される。
この新しいZaloのポリシーは、6月末に発表され、8月1日から適用が開始された。Zaloの公式ホームページによるとユーザーのデフォルトアカウントには主に6つの変更点がある。
無料アカウントの場合、まず、友達登録されていない人は、日記を見たりコメントすることが出来なくなる。友達登録されていない人からの電話番号で検索した連絡は月に40人までに制限され、登録可能な友達リストは1000人までとなり、通常アカウントはユーザーネームを使用できなくなる。
これまで、Zaloのユーザーは、2000人でも3000人でも友達リストに登録することができ、電話番号検索や友達登録していない人からのメッセージへの返信にも制限はなかった。しかし、今後は無料ユーザーは1000人以上の友達を追加できなくなり、友達登録していない人へのメッセージ送信は40件までに制限される。
最近になってZaloは、3つの有料サービスを開始すると発表した。スタンダードタイプは、2800VND/日または、8万4000VND/月で、毎月60件の友達登録していない人とのメッセージと1500件の友達登録ができる。エリートタイプでは、5万5000VND/日または、165万VND/月を支払うと2000件のメッセージが可能で、友達登録は5000人まで増加する。Webサイトの情報によれば、上記の2つのサービスはまだ開始していない。現在、選択できる唯一の有料サービスは、プロタイプで、5500VND/日を支払うと、120件の未登録者とのメッセージと3000人の友達登録が可能になる。
今回の新方針についてZaloは、アカウント制限によって、ユーザーはより適切にプライバシーを管理できるようになるとしている。しかし、今回の措置に対して多くの専門家は、Zaloがユーザーを有料サービスに誘導するための措置だと考えている。
「お客様と友達登録することが出来ないため、問題解決の際に弊社とお客様双方にとって不利益が生じます。また、新規のお客様は、当社のアップする情報にアクセスできないことになります。」とオンラインで食品販売をおこなっているグエン・ハインさんは話す。
ハインさんによると仕事をより効率的にするために必要であれば、月に数十万ドンの経費を支払うことは問題ない。しかし、今回のような利用制限によって、ビジネス活動が中断される可能性があることをオンラインビジネス業者は不安視していると指摘する。「もし、新規のお客様から問い合わせが来たのに、利用制限をオーバーしていたらどうなりますか?」とハインさんは話し、今後はZaloへの依存を減らすために他のサービスを活用する意向を示した。
Vinalinkのトゥアン・ハー会長は、Zaloの方針に一定の理解を示す。「現在、Zaloの利用者は非常に多く、例え有料化しても使用し続けるユーザーは一定数存在するでしょう。」とハー会長は話す。しかし、ハー会長によると、Zaloの利用制限方法には、多くの点でユーザーが不満を感じる可能性がある。
例えば、最も安い料金プランでも、ユーザーは年間約100万VND支払う必要があるが、今までと特に変わったサービスが受けられるわけではないうえに、最も重要な友達登録機能は、以前よりも制限されることになる。もし、これまでと同様の機能を求める場合、8月1日以降ユーザーは最低でもプロタイプを購入し、年間約200万VNDを支払う必要がある。「誰もがこの費用負担に応じるはずはなく、多くのユーザーは、このような費用を払うのは馬鹿らしいと考えるでしょう。」とトゥアン会長は話す。
現在ベトナムで普及しているメッセージアプリには、Zalo、Messenger、Viber、Telegram、Skypeがある。殆ど全てのアプリは基本的に無料でメッセージサービスを提供している。ユーザーは、新たな機能のために費用を払うかもしれないが、既存の機能を維持するために費用を払う人は少ない。
例えば、Telegramは、6月から月額4.9USDで最大4GBのファイルを送信でき、より高速なダウンロードが可能になるプレミアム機能を追加した。アップグレードされたアカウントは最大1000チャンネルをフォローすることが可能で、各チャンネルごとに200件のチャットを保管できる20個のチャットフォルダの作成が可能となる。
ユーザーへの通知で、Telegramは、既存の機能は全て無料のままで使用可能であると約束している。プレミアムサービスへの支払いは、開発者へのユーザーからの支援とみなされている。
ViberとSkypeという他の2つの人気のアプリも一般ユーザーは無料で、アプリ内で広告も掲載していない。インターネット回線を通じた無料のチャットと通話という基本機能に加えて、この2社ではViber OutとSkype Outというサービスも提供している。
Viber OutとSkype Outは、相手が同じアプリを使用している必要が無く、国際線でも国内線でも任意の電話番号に電話をかけることが出来る。ユーザーは、通話時間に応じて料金をチャージすればよい。
ベトナムでZaloと同程度普及しているもう一つのメッセージアプリは、MetaのMessengerで、こちらはまだ有料サービスを展開していない。
そんな中で、Zaloは、逆行する形で収益を上げようとしている。Zaloは無料のメッセージツールを提供した後で、ユーザーの登録人数を制限しようとしているのだ。
トゥアン・ハー会長によるとZaloは、既存のサービスを制限するのではなく、既存のサービスの欠点をカバーする方向で課金すべきだと主張する。「無料のアカウントは現状のままにしておくべきです。一方でZaloは、例えば登録データを永久に保存できるサービスに課金するなどの方法を検討すべきでしょう。現在、多くのユーザーが携帯電話を変更した際に、Zaloを通じたメッセージなどのデータを失っています。もし、同じようなことが有料ユーザーでも発生すれば、ユーザーは納得しないでしょう。」とトゥアン会長は話す。
アメリカの技術系ニュースサイトThe Vergeによると、殆どのOTTプラットフォームは、ユーザー数が一定の規模に達すると有料サービスを提供するようになる。しかし、有料の「特別」機能とされるものは、実際には既存の機能の拡張サービスであり、全く別の新しいサービスということはない。
出典:01/08/2022 VNEXPRESS
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