特別決議では限界、抜本的な法整備へ
ホーチミン市では、超巨大都市に対応した「特別都市法」の必要性が高まっている。
2017年以降、国会はホーチミン市の発展を目的に、複数の特別メカニズム(決議54号、98号、260号)を承認してきた。しかし、これらは適用範囲が限定的で期間も短く、都市の急速な拡大に十分対応できていないとの指摘が出ている。
「暫定措置」からの脱却が必要
専門家によれば、現在の特別決議は個別の課題を部分的に解決するにとどまり、持続的な発展を支える制度としては不十分である。
現在のホーチミン市は人口1,400万人超、地域総生産(GRDP)1200億USD規模の超巨大都市へと成長しており、短期的な試行制度では対応が難しくなっている。
また、ホーチミン市人民評議会の代表からも、「特別決議はあくまで暫定的措置であり、各種法律との整合確認が必要となるなど、運用に時間がかかる」との指摘が出ている。
手続きの遅れが実行の障害に
ホーチミン市当局によると、現行制度では革新的な政策であっても、実際の運用は既存の手続きに従う必要があり、実効性が限定されている。
また、手続きや制度設計の権限が中央省庁に集中しているため、市レベルで迅速な意思決定ができない点も課題となっている。
実際、以下のような施策は導入が遅れている:
- 公共施設での屋上太陽光発電
- カーボンクレジット取引
- 戦略投資家の誘致
- 国有企業の資本活用
「許認可型」からの転換へ
現行の特別決議は「中央の承認を得て実施する」構造が強く、いわゆる“許認可型”の運用となっている。
一方、特別都市法が導入されれば、市は権限の範囲内で即時に施策を実行でき、行政手続きの遅れを大幅に削減できると期待されている。
最大の課題は3分野
専門家は、現在のボトルネックを以下の3分野に整理している:
- 財政・予算
- 都市計画・空間開発
- 都市ガバナンス(行政運営)
これらは試行制度ではなく、法律レベルでの対応が不可欠であるとされる。
柔軟な「枠組み法」が鍵
提案されている特別都市法は、「枠組み法+柔軟な政策」という設計が想定されている。
このモデルでは、基本原則を維持しつつ、具体的な運用は柔軟に調整可能とし、新たな政策の試験導入(サンドボックス)も可能となる。
投資誘致と国際金融都市化を視野
より高い自治権が認められれば、民間資金や外国投資の誘致が進み、ホーチミン市の国際金融センター化も加速する可能性がある。
また、新たな政策を試験的に導入し、成功モデルを全国に展開する拠点としての役割も期待されている。
インフラ・都市構造改革も後押し
特別都市法では、特に以下の分野での権限強化が提案されている:
- 大規模インフラ(メトロ・環状道路)への資金確保
- 多中心型都市に対応した柔軟な都市計画
- 超巨大都市に適した行政組織の構築
- デジタル経済・イノベーション分野での政策実験
ホーチミン市が抱える制度的な制約を解消するためには、従来の特別決議から一歩進んだ包括的な法制度が不可欠である。
特別都市法は、同市を次の成長段階へ引き上げる鍵となる可能性がある。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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