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ホルムズ海峡封鎖で肥料100万トン停滞 ベトナム国内価格上昇も供給逼迫懸念

輸入された農業用肥料
(C)THANH NIEN

ホルムズ海峡で約100万トンの肥料が滞留

中東情勢の緊迫化により、肥料の世界供給に深刻な影響が出始めている。

イランが米国およびイスラエルとの衝突を背景にホルムズ海峡を封鎖したことで、湾岸地域では肥料を積載した船舶が足止めされている。データ会社Kplerによれば、尿素、硫黄、リン酸などを運搬する21隻の船舶、合計約98万トンが同海域で停滞している。

湾岸諸国は天然ガスや石油由来の化学肥料の主要供給源であり、年間で尿素3,000万~3,800万トン、硫黄2,200万~3,000万トンを生産している。世界の硫黄供給の半分以上、尿素輸出の30%以上がホルムズ海峡を通過しており、同海峡の封鎖は世界市場に直接的な供給不足リスクをもたらしている。

特に、カタール、サウジアラビア、イランといった主要輸出国が実質的に輸送不能となっていることが懸念を強めている。

中国の輸出停止でベトナムへの影響拡大

さらに、中国による影響も拡大している。

中国政府は国内の早期作付けシーズンに備え、商業用肥料備蓄の放出を決定すると同時に、輸出を一時停止した。中東情勢による物流混乱と価格上昇が背景にある。

ベトナムの肥料メーカー各社はこの動きを確認しており、国内供給の断絶リスクに対する懸念を強めている。

中東戦火で生産停止が相次ぐ

供給逼迫は物流だけでなく、生産面にも波及している。

カタールの肥料大手QAFCOは、年産560万トン規模の尿素工場を停止した。液化天然ガス施設の操業が戦争の影響で滞ったことが原因である。

また、インドはガス不足により肥料工場の稼働を通常の約70%に制限。パキスタンやバングラデシュでも工場停止が発生しており、供給網全体が揺らいでいる。

ベトナム国内価格は上昇も「世界より安価」

ベトナム国内でも肥料価格は上昇している。

主力の尿素肥料(カマウ、フーミー)は50kg袋あたり61万~66万VND、DAP肥料は125万~130万VND、カリウム肥料は50万~53万VND、NPK肥料は60万~76万VND程度で推移している。

直近では急騰は一服しているものの、高値圏にとどまっている。

中部の肥料メーカー幹部は、テト後は通常需要が落ち込むため原料確保が遅れがちだったと指摘する。その中で中東情勢が急変し、各社が一斉に原料調達に動いたことで価格が急騰。尿素は1トンあたり400万~500万VND上昇したという。

さらに、供給業者が契約を履行せず納品を拒否する事例も発生し、需給の逼迫に拍車をかけている。

その結果、国内価格はコロナ期のピークに迫る水準まで上昇したが、依然として国際価格よりは1kgあたり数千VND低い水準にとどまっている。

4月以降、需給ひっ迫の可能性

業界関係者は、4月以降にさらなる価格上昇の可能性を指摘する。

Vinacamグループのブー・ズイ・ハイCEOは、農家の在庫が減少し、本格的な作付け期に入ることで需要が急増すると警告している。

また、供給不足が続けば、低価格作物では肥料使用量が減少する一方で、粗悪品の流通拡大も懸念されている。関係当局による監視強化の必要性が指摘されている。

現時点では需要は限定的

農業農村環境省傘下の作物生産・植物保護局によれば、現在は冬春作の収穫期にあたり、肥料需要はまだ高くない。

2026年夏秋作はメコンデルタおよび東南部で早期作付けが始まった段階で、作付面積は約8.1万haにとどまる。

果樹や工業作物は全体として安定成長を維持しており、マンゴー、ドリアン、コーヒー、カシューナッツなどは開花・結実期にある。コーヒーやコショウなど主要農産物の価格は依然として高く、農家収益は好調である。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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