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【社会】バインミーを売る外国人男性、ベトナムは「第二の故郷」

ホーチミン市の屋台でバインミーを売るトルコ国籍のペケル・フセインさん(33)と交際相手のゴー・トゥイ・タイン・トゥイさん(33)
(C)THANH NIEN

路上に響くベトナム語の呼び声

毎日16時になると、ホーチミン市ビンチュン街区(旧トゥードゥック市)のソンハン通り沿いで、一人の外国人男性が立ち、ベトナム語で「ここのバインミーは本当においしいよ!」と大きな声で客を呼び込んでいる。
その活気ある呼び声の裏には、彼がベトナムとバインミーに寄せる特別な思いがある。

家伝レシピの「レバー焼きバインミー」

屋台を営むのは、トルコ国籍のペケル・フセインさん(33)と、交際相手のゴー・トゥイ・タイン・トゥイさん(33)である。
看板に掲げられた「特性レバーペーストのバインミー(Bánh mì gan cháy)」の文字が通行人の目を引く。

トゥイさんが家族に代々伝わるレシピでこのバインミーを商品化しようと考えた際、試食したペケルさんはその味に強く惹かれたという。
「この特別な味をもっと多くの人に伝えたいと思い、彼女と一緒にやろうと決めた」と語る。

本業は英語教師、夕方からは屋台へ

ペケルさんの本業は英語教師である。だが、毎日16時になると屋台に立ち、客引き、注文受付、包装作業を手伝う。
さらに、若者層に向けてSNSで発信するため、動画撮影にも積極的に参加している。

彼にとって屋台の手伝いは単なる労働ではなく、ベトナムの伝統的なバインミーの味を広めたいという思いの表れでもある。

精神的な支えとしての存在

起業当初、失敗への不安を抱えていたトゥイさんに対し、ペケルさんは常に挑戦を後押ししてきたという。
「彼が『続けよう』と励ましてくれたおかげで、自信を持って今までやってこられた」とトゥイさんは語る。

味が生んだリピーター

当初は「外国人がバインミーを売っている」という珍しさで足を止める客も多かった。だが、次第に客を引き留めたのは、その独自の味だった。
SNSを通じて店を知ったという常連客は、「ソースが濃厚で食べやすく、家族の分もよく買う」と話す。

「ベトナムは第二の故郷」

ペケルさんがベトナムに来てから、すでに約9年が経つ。
当初は短期滞在のつもりだったが、一度帰国した後、ベトナムへの強い思いが募り、再び戻ってきた。

トルコで大学の海事学部を卒業し、将来を期待されていたが、人生設計はベトナムで大きく変わった。
「今はバインミーを売るほうが楽しい。これが自分の運命なのかもしれない」と笑顔で語る。

理性よりも感情が選んだ場所

2019年からホーチミン市で暮らし、長期定住を視野に入れている。
読書を通じてベトナムの歴史や文化への理解を深め、「理性では帰国すべきだと思っても、感情がそれを許さない」と率直に語る。

「そして今も、感情が勝っている」。
ペケルさんにとって、ベトナムはすでに“第二の故郷”となっている。

本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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