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【社会】未成年者の電子タバコ利用が急増

(C)VNEXPRESS

ベトナム保健省の健康戦略政策研究所の2020年の調査によると、8年生(中学2年生)から12年生(高校3年生)までの生徒の8.35%が電子タバコを吸ったことがあると回答した。これは、2015年の調査と比較して8倍の数値だ。

保健省は、この調査がどの地域で何人を対象に実施されたものであるかを明らかにしていない。この調査によれば高校生(10年生~12年生)では、電子タバコを使用したことのある人の割合は12.6%となり、青少年の間で電子タバコの使用が増加していることがわかる。2019年の全国学校健康調査によると13歳から17歳の電子タバコ利用者は2.6%で、2005年には0.2%でしかなかった。

保健省の法制局のチャン・ティ・チャン副局長は「電子タバコの利用者は、特に女性の割合が増加している」と述べた。

世界保健機関(WHO)ベトナム事務所のグエン・トゥアン・ラム氏は、電子タバコは人目を引くデザイン、コンパクトさ、キャンディーのようなパッケージ、多種多様なフレーバー、低価格といった要素で若者を惹きつけていると指摘する。

電子タバコには、強力な中毒性のあるニコチンが含まれており、特に子供、青少年、妊婦にとって非常に有害である。電子タバコのリキッドと蒸気には多くの有害な成分が含まれており、長期にわたって使用すれば、癌、心臓病、呼吸器系疾患など様々な病気のリスクを高める。

アメリカの疾病対策センター(CDC)によると、2月中旬の時点で、アメリカでは電子タバコが原因とみられる急性肺傷害の症例が2800件以上確認されている。29の州で68人の死亡が確認されており、入院患者の15%は18歳未満で、37%が18〜24歳となっている。

保健省法制局のグエン・フイ・クアン氏は、関係当局はこれまでこの新型タバコが地域社会に浸透するのを防ぐために様々な措置を講じてきたと話す。しかし一方でたばこ会社も自社製品を地域社会に浸透させるために販売方法や広告を工夫してきた。

先日、アメリカ食品医薬品局(FDA)が加熱式たばこ製品を「暴露低減タバコ製品」として承認したことで、誤解が広がった。実際には、加熱式タバコは、健康リスクと依存性を低減させる製品として承認されたわけではなく、単に曝露を低減する製品として承認されたに過ぎないのだ。しかし、各メーカーはあたかも中毒性が低いかのような宣伝を行い、多くの人がそれを信じて自らの健康に深刻な影響を与えている。

全国子供喫煙撲滅キャンペーンの代表であるドアン・トゥー・フィエン氏は、加熱式タバコに関して多くの誤った情報が出回っていると強調した。中国では、ニコチンがCOVID-19 の感染予防に効果があるとか、電子タバコの広告が呼吸器系疾患の予防に効果があると宣伝している。「これらは完全に間違った情報です」とフィエン氏は断言する。

これまで、電子タバコや加熱式タバコを含む新型のタバコは、ベトナムでの製造および、販売が許可されてこなかった。多くの専門家は、新型のタバコは新たな依存症と健康リスクをもたらすもので、ベトナム政府は、新型タバコの輸入販売を許可すべきではないと主張している。

「ベトナム政府は、リスクのある製品に許可を与えるべきではなく、既存の紙巻きタバコの規制に集中すべきだ」と保健省法制局のチャン副局長は話す。

米国ではフレーバー付き電子タバコを使用禁止にしてから、未成年者の電子タバコ利用率が27.5%から19%に減少している。

出典:09/04/2021 VNEXPRESS
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