外国人が海外に長期滞在すると、大抵の人はその国の言語を話せるようになるでしょう。ところが身近なところに例外があります。曖昧に身近と言ったのは恥ずかしさからで、それは自分自身です。
私がベトナムに居住して、2023年1月で15年が経過しました。「光陰矢の如し」、時は素早く過ぎていくものです。15年滞在して、簡単な単語以外にベトナム語での会話ができません。私とは逆に、日本に渡ったベトナム人が日本語を話せないことはないでしょう。長年滞在して日本語が話せないなら、日本では使ってもらえないからです。
ベトナム語の勉強を怠っていることは事実です。時々、日本人の方からベトナムでの滞在年数を聞かれて、とっさに実際より短く伝えてしまうことがあります。正直に「15年間です」と伝えて、「それではベトナム語も話せるんですね?」と言われるのが怖いのです。
ベトナムで仕事を作るのが私の大切な役割です。得られる仕事のほとんどが日本企業からの依頼案件です。それをベトナム人スタッフがベトナムの文書で確認し、当局や事業者に問い合わせをして、業務を進めています。日本企業からの仕事を集めて事業収入を得るのが私の役割で、それを繰り返していたら15年が経っていました。
ベトナム語が話せなくてもここで勤務が続けていられるのは、ベトナムの懐の深さでしょう。それと私を必要としてくれるスタッフたちのお陰でもあります。まだ、この地に居座るつもりですが、この先もベトナム語が話せない滞在歴を更新していくことでしょう。