ベトナム税関汚職事件 元副局長の部下が賄賂を中抜き
ベトナムで健康食品の偽造を巡る大規模事件の捜査で、税関幹部らが関与した汚職の実態が明らかになった。企業から15億VNDの賄賂を受け取ることで合意していたにもかかわらず、部下の税関職員が上司には「企業は8億VNDしか支払わない」と虚偽報告し、一部を中抜きしていたという。
公安省の警察捜査機関(C03)は、医薬品関連企業などで発生した事件の捜査を完了し、14人の被告について5つの罪名で起訴を提案した。
健康食品の偽造で2640億VND以上の不正利益
起訴対象の一人であるグエン・ナン・マイン被告は、
- MediUSA社 元取締役会会長
- MegaPhaco社 社長
- MediPhar社 副社長
など複数企業の経営に関与していた人物で、以下の3つの罪で起訴が提案されている。
- 贈賄
- 偽造食品(健康食品)の製造・販売
- 会計規定違反による重大な結果の発生
また、MediPhar社社長のドー・マイン・ホアン被告と、Viet Duc社社長のクック・ミン・ブー被告も、偽造食品の製造・販売などの罪で起訴が提案された。
捜査によると、2016年以降、被告らは12社と2つの工場を組織的に運営し、偽造された健康食品を大量に製造・販売していた。
不正の仕組みは次のように分担されていた。
- Hung Phuong社:原料輸入
- MediPhar社、MediUSA社:製造
- MegaLife社:包装・ラベル
- MegaPharco社:工場用地の貸与
- その他7社:流通・ブランド運営
コスト削減と利益拡大のため、被告らは既存製品の処方を流用して成分や含有量を変更し、実際の製造試験や品質確認を行わずに新製品として登録していた。
さらに、実際の製造では原料成分を大幅に削減し、表示内容とは異なる製品を生産していた。
公安省は、MediPhar社とMediUSA社が製造した健康食品88製品が偽物と認定している。
この犯罪により、グループは2640億VND以上の不正利益を得たとされる。
さらにマイン被告は、
- 会計違反による1430億VND超の損害
- 45億VND以上の贈賄
にも関与したとされる。
賄賂15億VNDで通関支援を依頼
捜査によると、2020年から2025年4月にかけ、マイン被告はHung Phuong社を通じて中国などから原料を輸入していた。
しかし、コンドロイチン硫酸ナトリウム(CSS)という原料の輸入について、当局から警告を受けていたにもかかわらず、同社は再び輸入を行い、通関が認められなかった。
問題を解決するため、マイン被告はHung Phuong社の輸出入担当部長グエン・ティ・トゥ・ホアに解決策を探すよう指示した。
ホアはその後、税関監視管理局の担当者であるグエン・フー・トゥアン氏に接触し、支援を依頼した。
15億VNDの賄賂合意、上司には8億VNDと報告
トゥアン氏はその後、税関監視管理局のグエン・テー・ビエット副局長に企業の文書を示し、支援を求めた。
捜査によると、ビエット副局長は文書を確認したうえで「対応可能だが、企業がいくら支払うのか確認するように」と指示したという。
トゥアン氏はその後、ハノイ市内のカフェでマイン被告と会い、15億VNDの支払いで問題解決を支援することで合意した。
しかしトゥアン氏は上司のビエット副局長に対し、「企業は8億VNDしか支払わない」と虚偽報告した。
ビエット氏はこれを了承し、まず3億VNDを前払いするよう企業に伝えるよう指示した。
賄賂の一部を中抜き
2023年12月14日、マイン被告は税関総局の前でトゥアン氏に3億VNDを手渡した。
トゥアン氏はその金をそのままビエット副局長に渡し、ビエット副局長は、医薬品管理局の担当者ファン・コン・チェン氏に連絡して案件の対応を依頼した。
その後、ビエット副局長は医薬品管理局に対し、CSSを含む商品の通関問題に関する文書を送付した。
2023年12月25日、チェン氏は5000万VNDを受け取った後、税関への回答文書を承認し、上司に提出した。
この結果、Hung Phuong社は問題の貨物だけでなく、その後の輸入貨物も通関可能となった。
その後、マイン被告は残りの12億VNDをトゥアン氏に支払った。
しかしトゥアン氏はそのうち4億VNDしか上司に渡さず、残りを自分の取り分としたとされる。さらにビエット副局長はトゥアン氏に1億VNDの仲介手数料を与えていた。
公安省はこの事件で、
- グエン・フー・トゥアン
- グエン・テー・ビエット
- ファン・コン・チェン
の3人についても収賄罪で起訴するよう提案している。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















