中東情勢緊迫で輸送コスト上昇懸念
中東地域で軍事衝突が発生し、輸出企業の間で海上輸送コスト上昇への懸念が広がっている。特に原油価格の高騰が現実味を帯びる中、物流費増加による収益圧迫が懸念材料となっている。
米国およびイスラエルによるイラン攻撃と、それに対する報復行動が湾岸地域へ波及したことを受け、市場の不確実性は急速に高まっている。企業関係者の多くは「非常に大きな市場変動リスクに直面している」との認識を示している。
世界サプライチェーン寸断への警戒
ベトナムカシューナッツ協会のバク・カイン・ニュット副会長は、中東市場が近年ベトナム農産品の重要な輸出先として急成長していると指摘する。
特にドバイはベトナム産カシューナッツの主要な流通拠点であり、中国、米国に次ぐ第3位の輸出市場である。ベトナムからドバイへの輸送は、イランが一部を管轄する
ホルムズ海峡を通過する必要がある。
同海峡が封鎖された場合、中東向け輸出は事実上停止する可能性がある。戦闘が短期で終結すれば影響は限定的とみられるが、緊張が長期化すれば農産品輸出は大きな打撃を受ける見通しである。
原油価格上昇が収益を直撃
コーヒー輸出大手の経営者は、現時点で具体的な取引停止は発生していないものの、価格変動や輸送遅延など、事業計画外の不確実性が拡大していると懸念を示した。
欧州向け農産品輸出企業の代表も、海外機関の分析として原油価格上昇の可能性を挙げ、「原油高は即座に海上運賃へ転嫁され、企業利益を圧迫する」と指摘する。
水産加工大手FIMEXベトナムのホー・クオック・ルック会長は、市場再開後に影響評価と対応策の検討が本格化すると述べ、「企業としては情勢の明確化を待つしかない」と語った。
海運各社、航路見直しを検討
国際航空と並び、国際海運も中東情勢の直接的影響を受けている。3月1日、一部の海運アライアンスや大手運航会社は、タンカーやコンテナ船の安全確保のため湾岸地域回避ルートを検討し始めた。
地政学的緊張の高まりは、運航コスト増加や輸送期間延長を招く可能性がある。これにより、アフリカ・中東と世界市場を結ぶ貿易活動に波及効果が及ぶとみられる。
現時点では、ベトナムから欧州向けの主要航路は戦闘地域から比較的距離があるため即時変更は不要とされる。ただし、緊張長期化次第では運賃や保険料の見直しが行われる可能性がある。
紅海回避の再来懸念
2024年には紅海の安全問題を回避するため、多くの海運会社が喜望峰経由へ迂回し、航程が数千海里延長され、輸送日数が10~14日増加した経緯がある。これにより運賃は急騰し、コンテナ不足や為替変動、心理的不安が市場に広がった。
専門家は、欧州、米国、中東がベトナムにとって重要な輸出市場であると指摘し、緊張が長期化すれば輸出活動は大きな影響を受けると警告する。
紛争が早期収束し、スエズ運河経由航路が正常化すれば、運賃は2026年後半にかけて落ち着く可能性がある。しかし戦闘が拡大・長期化すれば、世界貿易およびベトナム経済への影響は深刻となる見通しである。
今後の市場動向は、原油価格の推移とホルムズ海峡の安全確保に大きく左右されることになる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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