ベトナム政府、燃料供給確保に向け緊急会議
ベトナムのファン・ミン・チン首相は3月10日午後、エネルギー安全保障作業部会との会議を主宰し、国内の燃料供給確保に向けた対策を協議した。
チン首相は、中東での軍事衝突が発生した直後から、ベトナム政府はエネルギー市場への影響を迅速に分析してきたと説明した。特に以下の分野への影響が懸念されている。
- マクロ経済運営
- 経済成長とインフレ管理
- 物流コスト
- 商品価格と競争力
また、投機的な買い占めや密輸、価格つり上げなどの問題が発生する可能性も指摘した。
首相は「いかなる状況でもエネルギー不足を発生させてはならない」と強調し、現時点では状況をコントロールできていると述べた。
原油調達の多角化を指示
今後の対策として首相は、原油供給の多角化を進めるよう指示した。
ベトナム商工省は外務省や国営エネルギー企業と連携し、首相が湾岸諸国の首脳と行った電話会談の成果を踏まえ、供給確保を進めることになる。
また燃料輸入については、
- 輸入先の拡大
- 輸入量の増加
- 計画的な配分
を進め、国内需要の約30%を輸入で確保する体制を維持する方針である。
同時に企業には、規定に基づく備蓄水準の維持と、供給不足を想定したシナリオの作成を求めた。
燃料価格管理制度の見直しも検討
国内市場管理については、財務省と商工省が連携し、燃料価格の動向を日々監視しながら柔軟に対応する方針が示された。
さらに首相は、燃料販売制度を定めた政令83号の改正検討も指示した。
具体的には、
- 国家が具体的な販売価格を直接決めない
- コスト上限や利益率のみ規定
- 企業が販売価格を自主公表
といった市場原理に近い価格管理制度を検討する。
価格安定基金を活用
ファン・ミン・チン首相は、商工省の提案に基づき、燃料価格安定基金の使用を原則承認し、3月10日から適用することに同意した。
また財政省には、燃料の環境保護税を0%に引き下げる案を検討し、3月12日までに政府へ報告するよう指示した。
このほか政府は以下の政策も進める。
- バイオ燃料E10の普及
- エネルギー節約運動の推進
- グリーンエネルギー利用の拡大
さらに、2027年APEC首脳会議関連プロジェクトなどの重要事業に必要な燃料供給を確保するよう指示した。
石炭・石油生産の拡大も
電力供給確保のため、政府はエネルギー企業に対して以下を求めた。
- 火力発電所への燃料供給確保
- 石炭採掘の最大化
- 石油・ガス生産の増加
また公安省には、燃料の買い占めや価格操作を取り締まるよう指示した。
食品価格にも波及圧力
燃料価格上昇の影響は、食品価格にも波及し始めている。
ホーチミン市の市場では、特に野菜価格が敏感に反応している。
市場の商人によると、今週初めから野菜価格は5,000〜10,000VND/kg程度上昇した。
例として、
- トマト:2万VND/kg
- レタス:4万〜5万VND/kg
- 青菜:3万〜4万VND/kg
などとなっている。
ただし卸売市場では価格は比較的安定しており、小売価格上昇の主な原因は輸送コストの増加とされる。
卵や食料品は当面安定
食品企業によると、卵価格は現在のところ1個あたり50〜100VND程度の小幅上昇にとどまっている。
また、ホーチミン市の価格安定プログラムに参加する企業は、コスト削減などで価格維持に努めているという。
スーパー各社も現時点では値上げを行っていない。
農業への影響も懸念
農業分野では、燃料価格上昇が農家の負担となっている。
メコンデルタでは現在、冬春稲作の収穫期に入っているが、農家は燃料購入量の制限にも直面している。
農家の証言によると、
- 収穫作業費:250万〜300万VND/ha
- 燃料購入:1台の機械につき1日3缶(約90L)に制限
などの状況が発生している。
さらに、米輸出企業によると、燃料価格上昇の影響で輸送費や海上運賃も上昇している。
例えばフィリピン向け輸送費は60〜80USD増加し600USD/コンテナ超となり、中国向けも上昇しているという。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN




















