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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.49
代理出産が認められる?
ベトナムの婚姻家族法事情

―― この前、ベトナム人の友達から、代理出産で子供ができたと連絡がありました。ベトナムでは認められているのでしょうか。

ラン はい。婚姻家族法上、営利目的では禁止されていますが、人道上の理由に基づく代理出産は認められています。これは、生殖補助医療技術を用いても妊娠・出産ができない夫婦のために、女性が営利を目的とせず妊娠・出産を自主的に助けるものです。

 出産を依頼した夫婦の妻の卵子と夫の精子を摘出して試験管で受精させ、かかる代理出産をする女性の子宮に着床させて妊娠させ、子を出産させることと定義されています。ただ、一定の条件を満たしている必要があります。

―― 具体的には、どのような条件でしょうか。

ラン 依頼する夫婦は、医療機関が提供する生殖補助医療技術を用いても妻が妊娠・出産できないと認定されていること、夫婦に共通の子がいないこと、夫婦が医療的、法律的、心理的な観点からのカウンセリングを受けていることの各条件を満たす必要があります。

 代理出産をする女性は、夫婦のいずれかの姉や妹等最近親者であること、出産経験があること、代理出産の受任は一度に限ること、適正な年齢であり代理出産能力があることを医療機関が確認していること、また、配偶者がいる場合には、その夫が書面で合意していること等です。

 代理出産を希望する夫婦は、こうした法定の条件を満たすことを証明する書類等を、代理出産を実施することが国から認められている医療機関に提出した上で、実施することになります。

―― とても勉強になりました。

Nhiep Thi Lan ニエップ・ティ・ラン
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス、パラリーガル。2017年ハノイ法科大学卒業。その後、名古屋大学大学院で2年間修士課程を修めて、現在は法令リサーチ等弁護士の業務のサポートを行う。