ホーチミン市の指導部や専門家によると、ホーチミン市は、世界情勢の変化による外部圧力と国内の経済事件による市場への悪影響という内部圧力の2つの圧力にさらされている。
2021年末にCOVID-19を抑制した後、ホーチミン市は2022年に”失われたものを取り戻す”という目標を設定し、2025年の飛躍に向けて年初の目標を達成すべく急ピッチで開発を進めてきた。
しかし、11月1日の午後に開かれたホーチミン市人民委員会による2022年10月までの成果と年末までの2か月の方針に関する社会経済会議において、市の幹部は、当初の計画が多くの課題に直面していると述べた。
ホーチミン市人民委員会のファン・バン・マイ主席は会議の冒頭で、「ホーチミン市の内部と外部から生じている影響を考慮すると、2023年に更なる経済発展を見込むことは難しく、2022年並みなら御の字だという意見が出ている。」と述べた。2022年10月までのホーチミン市の経済成長率は9.97%で、2022年全体では9.44%になると予測されている。これは、年初に設定した目標値を上回る数字だ。
ホーチミン市人民委員会のボー・バン・ホアン副主席も、ホーチミン市の経済成長率は限界に来ているとの見方を示す。来年の経済成長率は9.4%程度を維持すべきで、条件が整っていない中で無暗に経済成長率を加速すべきではないと指摘する。
ホアン副主席はまた、ホーチミン市内部の問題について、行政改革が未だに不十分であり、デジタル化についても多くの行政機関が、紙の書類と電子書類の”2足歩行”を続けている中途半端な状況だと指摘した。
2022年10月までのホーチミン市の予算収入は392兆7900億VNDに達し前年同期比で22%増加し、年間目標の101%に達した。しかし、公共投資の実行率は依然として低く、割り当てられた資本計画の29%(37兆9960億VND中10兆9530億VND)にしか達していない。新規設立企業件数は全国トップだが、操業停止と解散企業数も全国でトップとなっており、全国の約30%を占めている。
この会議で、国家金融政策諮問委員会のチャン・ズー・リック博士は、ホーチミン市が困難な状況において様々な大きな問題に直面していることは”不運”であると評価した。2022年第4四半期から2023年にかけて、あらゆる専門家が世界経済は困難に直面すると予測しており、景気後退が比較的明確になってきている。インフレが進みアメリカのFRBが引き続き金利を引き上げることで、世界経済は停滞に追い込まれる。
ホーチミン市商工局のブイ・ター・ホアン・ブー局長によると、ホーチミン市への影響は輸出に表れており、10月の工業生産指数は、前年同期比では増加したものの、前月からは減少している。その中で、縫製業は、世界各国の市場がインフレとサプライチェーンの混乱の影響を受けた第1四半期から非常に困難な状況に直面している。
世界情勢の不安定さに加えて、ベトナム国内の金融および、不動産市場の規律の確立は、中長期的に見れば良好ではあるが、短期的には、市場心理に良くない影響が出ているとリック博士は分析する。投資家はCOVID-19以降の回復を競い合うのではなく、回復を待つという姿勢を示している。
リック博士は、経済資本の流れが今年の後半の第3四半期と第4四半期で減速した場合、その影響は2023年に留まらず2024年まで及ぶとの見通しを示す。「長年の経験からマクロ経済政策が良好であればホーチミン市は全国平均以上の恩恵を受け急速に発展しますが、逆の場合にはホーチミン市に大きな悪影響が出ます。」とリック博士は説明する。
ホーチミン市経済査問チームのチューン・ミン・フイ・ブー博士も同様の見解で、ホーチミン市は現在、世界情勢による外部圧力と一連の経済事件が市場経済に影響を与えたことによって生じた不安定な状況による内部圧力の2つの圧力にさらされていると指摘する。
「ホーチミン市は今年の9月以降急速に悪化している経済状況を正面から受け止める必要があります。」とブー博士は話す。経済状況が悪化している原因についてブー博士は、ベトナム国家銀行の利上げ、外貨準備高の減少など様々な変化を指摘した。特にバンティンファット社のような大企業の不正摘発に関する捜査は市場に大きな影響を与えているとブー博士は分析する。
会議の終わりにホーチミン市人民委員会のファン・バン・マイ主席は、2022年10月までにホーチミン市は市の予算収入計画の101%を達成したが2022年第4四半期以降の景気低迷によって2023年のホーチミン市の予算収入計画(国会によって割り当てられた目標469兆VND)の達成は厳しくなるとの見方を示した。そのため、ホーチミン市は適切な対策を講じるために、状況を正しく評価する必要がある。
10月には政治経済、銀行、金融、不動産に大きな影響を与えたサイゴン銀行(SCB)をめぐる問題など新たな問題が次々に発生している。ガソリンの供給不足問題も、信頼の欠如を生み出し市民生活に影響が出ている。
このような事実からファン・バン・マイ主席は、現在のボトルネックを取り除き、ホーチミン市の持つ力を解き放つことに焦点を当てて、
市内の各行政機関と自治体に対してタスクを割り当てた。
また、FDIを誘致するために基準を明確にし、インフラと人材を準備し、ホーチミン市への投資資本流入を受け入れる準備を進める必要があるとしている。
出典:01/11/2022 VNEXPRESS
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