ベトナム国内には500万人近くの糖尿病患者がいると推定されているが、実際に診断を受けているのはそのうち35%に過ぎず、残りの患者は自分が糖尿病であることに気づいていない可能性がある。
保健省のグエン・ティ・リエン・フーン副大臣は、11月14日の世界糖尿病予防デーのイベントにおいて、上記の情報を発表し、医療機関で糖尿病の治療を受けている患者は23%に過ぎないと付け加えた。「ベトナムの糖尿病患者数は今後数年で急速に増加すると予測されています。」とフーン副大臣は述べた。
実際2019年に保健省はベトナム国内の糖尿病患者が350万人であるとのデータを公表し、2045年までに2倍に増加すると予測した。350万人の糖尿病患者のうち69%が診察を受けていない高血糖症であり、29%が病院で治療を受けている。
上記の情報から国内の糖尿病患者数はわずか3年で150万人近く、つまり43%も増加していることがわかる。
フーン副大臣によるとベトナムの糖尿病患者数の増加は、現在の世界的な傾向と一致している。この病気は世界で最も一般的な非感染性疾患だ。国際糖尿病連合(IDF)は、2021年に全世界の糖尿病患者数を約5億3000万人と公表した。これは、20歳から79歳までの成人の10人に一人が糖尿病であることを示している。このうち約50%は、病院で正式な糖尿病の診断は受けていないとみられている。
ベトナム糖尿病協会のチャン・フー・ダン会長は、糖尿病の危険な特徴は合併症にあると述べた。糖尿病は、世界の殆どの国で障害や早期死亡の原因となっており、失明、心血管疾患、腎不全、足の切断の原因にもなっている。ベトナムでの研究結果によると糖尿病患者の55%以上に合併症が見られ、そのうち34%が心血管疾患、39%が目と神経系の合併症、24%が糖尿病性腎症とされている。
専門家によると糖尿病患者の63%近くが病院の診断を受けておらず、ベトナムでの糖尿病管理戦略を難しくしている。この病気は社会全体に負荷を与え、経済、医療システム、患者とその家族に多くのリスクをもたらす。
糖尿病の原因は非常に複雑だが、多くの場合は肥満や運動不足によるものであると国立内分泌科病院のファン・フーン・ズーン副院長は説明する。「糖尿病は早期発見と早期治療が合併症の発症を抑えるのに役立ちます。」とズーン副院長は話す。
1型糖尿病は、あらゆる年齢層で発生する可能性があるが、特に若年層に多い。典型的な症状は空腹と疲労感、頻尿と喉の渇き、皮膚のかゆみ、大幅な体重減少、視力低下などとされている。
1型糖尿病の急激な進行と激しい症状とは異なり、2型糖尿病は、自覚症状がないままに静かに進行する。患者の多くは成人で、糖尿病になると感染症にかかりやすくなる、皮膚が乾燥して痒くなる、皮膚の傷が治りにくくなるなどの症状がでる。
専門家は、血糖値をコントロールするために患者は時間通りに健康的な食事をとり、適度な運動をおこなう必要があると説明する。タバコや刺激物は接種してはならない。医師から処方された薬を服用し、決して自分の判断で薬を購入したり、他の人の薬を共有してはならない。糖尿病のリスクがある人は、少なくとも年に1回は血糖値の検査を受ける必要がある。
2021年~2023年の世界糖尿病予防デーは、糖尿病ケアへのアクセスというテーマに焦点を当てている。国立内分泌科病院は、タインホア省内分泌科病院と協力して、1000人を対象に無料の糖尿病スクリーニング検査を実施し、糖尿病予防に対する意識向上に努めている。
出典:14/11/2022 VNEXPRESS
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