ベトナム労働組合総同盟のゴー・ズイ・ヒウ副会長は、工場が受注減に陥り仕事が減ったため、数万人の労働者がテトの1ヶ月も前に故郷へ帰省していると述べた。
12月17日に開催されたベトナム経済フォーラムでの労働市場の展望に関する討論において、ゴー・ズイ・ヒウ副会長は、これは非常に大きな問題であり、大変憂慮していると述べた。これまで、年末は書き入れ時で、企業と労働者はパートナーの注文に応えるため残業を増やしていたが、今年は様相が全く異なる。
ヒウ副会長が引用した12月10日時点の統計では、43万4000人近くの労働者が、労働時間を削減したり有給での停職となっている。また、6500人以上の労働者が契約を停止され、4万1600人の労働者が失業している。
仕事に影響が出ている労働者の75%は、縫製、履物製造、木材加工分野のFDI企業で働いており、その殆どが南部のホーチミン市、ロンアン省、タイニン省、ドンナイ省、ビンズン省、アンザン省に集中している。影響を受けた労働者の中には35歳以上の女性労働者、妊娠中の労働者、12ヶ月未満の子供を育てている労働者が数千人も含まれている。
統計データによれば、2022年10月までに失業保険を受給した人の数は、2021年同期と比べて急激に増加している。具体的には、ホーチミン市が26%増、ビンズン省が39.1%増、ドンナイ省が54.7%増、ティエンザン省が66.5%増だ。
「旧正月前のこの時期にこのような状況になり、その影響は甚大です。」とヒウ副会長は強調し、新型コロナから2年を経た時点での、失業と収入減は、多くの労働者を打ちのめす可能性があると指摘した。長期的には、労働者が非正規雇用に移行し、将来的に経験豊富な熟練労働者が減少する可能性もある。そのため、企業は景気が回復しても新しい労働者を確保できなくなるかもしれない。
ベトナム労働組合総同盟は、テト期間中27万2000人の労働者が労働時間を短縮され、1万5800人が職を失うと予測している。ゴー・ズイ・ヒウ副会長は、各地域の労働組合が企業に対して、従業員のテト休暇、給与、ボーナスについての計画を少なくとも20日以上前に発表するように提案していると述べた。また失業した労働者に対して、関係機関が社会保険と失業保険による給付を全額支給するよう求めている。
ベトナム労働組合総同盟の幹部は、政府と関連省庁に対してインフレを抑えるために市場価格の管理を強化し、労働者のために安定した価格で販売をおこなう店舗を運営するよう求めた。また、行政機関はテトまで1ヶ月しかない現時点で、失業、労働契約の停止、労働時間の削減という3つのレベルで労働者を補助する新たな政策を公布する必要があるとも指摘した。また、受注が減少した企業に対して従業員への基本給の支払いを維持するために、低金利の融資サポートも行うように求めた。
出典:17/12/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作