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ベトナムニュース【観光】外国人旅行者がベトナムよりタイを好む理由とは?

(C) VNEXPRESS

タイとベトナムは文化や気候など多くの点で共通点があるが、タイ独自の観光客誘致方法によって海外からの旅行者は、ベトナムよりもタイを選ぶ傾向にある。

オーストラリア人のグラント・ウィルソンさん(61歳)は、6年間ベトナムに住んでおり、これまでに30回以上タイへ旅行している。グラントさんは、ベトナムが大好きで週に4~5回はベトナムの豆腐を食べる豆腐愛好家でもある。グラントさんによれば、確かに携帯電話を盗まれたことはあるけれど、ベトナムには美しい風景があり、食事は美味しく、人々は陽気だ。

しかし、タイとベトナムの観光旅行を比較した場合、タイは観光客向けのショッピングモールや市場が充実しており、欧米人に適しているとグラントさんは指摘する。また、商品の品質もタイの方が良い。タイは公共交通機関も充実しており、誰もが利用できる。一方のベトナムでは、グラントさんは、バイクタクシーかバスしか利用したことが無い。ベトナムのナイトライフもパタヤやバンコクの歓楽街と比較すると淋しいものだ。

タイの公共交通機関は、バンコクを中心に発展し、多様化している。スワンナプーム空港からバンコク市内中心部までは約25㎞あり、旅行者は35バーツ(約2万5000VND)払えば電車で30分ほどで中心部に到着できる。バンコク市内ではスカイトレイン(BTS)、地下鉄(MRT)の駅がいたるところにあり、移動も楽だ。他にもタクシー、バス、トゥクトゥクといった移動手段もある。

ベトナムでは、公共交通機関での移動はまだ限定的だ。ハノイであれば旅行者はカットリン-ハドン間の都市鉄道を利用できる。しかし、この路線は、ハノイ市内の観光名所へのアクセスには適さない。バスは安くて使いやすいが、ラッシュ時には時間がかかることも多い。ホーチミン市の状況もハノイとあまり変わらない。

「ベトナムには、タイよりも美しい自然の観光地がありますが保全状態は良くありません。タイでは、国立公園に行ってトラやゾウなどの野生動物を簡単に見ることができます。ベトナムではトラはほぼ絶滅しており、野生の象はダックラック省のヨックドンのような一部の場所でしか見ることができません。」とグラントさんは話す。

ベトナムとタイの両方に旅行したことがあるドイツ人旅行ブロガーのレオニ・ベッカーさんもタイには、パンガン島で開かれる”フルムーンパーティー”のような活気にあふれたイベントがあり、若者を引き付けていると指摘する。

数字上もタイが観光誘致の点でベトナムを上回っていることが明らかだ。ベトナムの海外旅行者数がピークだった2019年には、1800万人の海外旅行者がベトナムを訪れ、観光収入は183億USDに達した。しかし、この数字は、同年のタイの3980万人と600億USDという数字とは大きな隔たりがある。

ANZ Travelのグエン・ティエン・ダット社長は取材に対して、タイの観光産業は、Sun、Sea、Shopping、Service、Show、Sexという6つのSを打ち出していると指摘する。自然の景観に関してはベトナムもタイには劣っていないが、サービスの提供や観光収入を稼ぐ方法については、タイの方が優れている。

「ベトナムは、文化的に”SEX”の要素を取り入れることはできません。しかしその他の点に関しては、ベトナムは、タイのように観光業のオールインワン方式が取れていません。タイを訪れた旅行者はバンコク、プーケット、パタヤなど一つの場所であらゆるサービスを簡単に楽しむことができるのです。」とダット社長は話す。

リゾート地として知られるプーケットとパタヤは、タイを訪れた西洋人観光客の楽園であり、様々なショーが開催され観光客のナイトライフを彩っている。バンコクにビーチはないが、ナイトマーケットやナナプラザ、ソイカウボーイなど様々なナイトスポットがあり、夜中の0時頃から翌朝4~5時ごろまで盛り上がっている。

2016年から2019年までバンコクは4年連続で世界で最も外国人観光客を誘致する都市の第1位にランキングされていた。2015年は惜しくもロンドンには負けたものの、世界第2位だった。タイという国自体も常に世界的な観光地のトップ10にランクインしている。

ベトナムにもニャチャンやダナン、フーコック島など世界的にも認められている美しいビーチが存在する。しかし、ナイトライフは充実しておらず、多様性も乏しい。ハノイには歩行者天国があるが週末しかオープンしておらず、外国人観光客向けのイベントもほとんどない。ホーチミン市のブイビエン通りやハノイのターヒエン通りなどの欧米人街もほとんどがバーで、営業時間も午前2時までしかない。

社会人文科学大学観光学部長のファン・ホン・ロン准教授は、「タイは、飲食、宿泊、移動、娯楽、ショッピングなどがしっかりとつながった観光サプライチェーンを構築できています。」と話す。観光旅行業は最大のサービス産業であり、タイは観光業発展のために数多くの優遇政策をとっている。

タイは観光客の財布のひもを緩めるための3G戦略(Get Them in-Gettheir money-Get them out)が有名だ。2018年のベトナム観光サミットで発表された統計数字によれば、海外からの旅行者はベトナムとタイでほぼ同じくらいの日数(9日)を過ごしている。しかし、1日あたりの消費額はタイの163USDに対してベトナムは96USDと大幅に少ない。

ロン准教授はまた、タイは、海外旅行者の消費トレンドを分析して、柔軟に先進的なキャンペーンや政策を実行していると指摘する。新型コロナの影響によって世界中の多くの観光地が困難な状況に陥っている中で、タイは、2021年に”プーケットサンドボックス(隔離なしの入国制度)”によって東南アジアで最初に海外への門戸を開いた。2022年にタイは、東南アジアで最高の1100万人以上の外国人旅行者を受け入れており、一方のベトナムは目標の500万人にも達していない。タイ政府は2023年には少なくとも2500万人の外国人旅行者を誘致し、2027年には8000万人の誘致を目標としている。

ロン准教授によればタイとベトナムには地理的にも文化的にも多くの共通点が存在するが、旅行産業の発展方法には違いがみられる。ベトナムは、観光産業をより発展させるために、タイの良い面を選んで学ぶ必要がある。

出典:23/02/2022 VNEXPRESS
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