ホーチミン市のメトロ1号線では、来年末からの操業を視野にいれて人材育成と技術移転を実施しているが、運営事業者の資金が底をつき、数ヶ月にわたって賃金が未払いになっている。
ベンタイン-スオイティン間のメトロを運営する都市鉄道1号線管理会社(HURC1)が政府に提出した公文書によると、同社は2021年8月から資金不足に陥っている。そのため、数ヶ月にわたって社員の給与と社会保険費用も支払われていない。この状況は、同社の経営に重大な影響を与えていると同社は訴えている。
昨年末、ホーチミン市は、首相及び、関係省庁に対してメトロ1号線の開業準備のために、HURC1に暫定的に予算を配分するよう要望していた。しかし、計画投資省と財務省から異なる意見が出されたため、ホーチミン市は、現在までHURC1の資金不足問題を解決できていない。
HURC1は、ホーチミン市人民委員会傘下の100%国営企業だ。2015年にメトロ1号線の運営、管理、メンテナンスをおこなう人材を確保するために設立された。設立時の資本金140億VNDは、事務所設備の購入資金であり、事業運営費用は含まれていなかった。
運営会社設立計画および、ベトナム政府と日本のJICAとの合意によると、メトロ1号線の運行が開始するまで、HURC1には売り上げがないため、それまでの必要経費はホーチミン市が負担することになっていた。しかし、メトロ1号線の事業計画は大幅に遅延しており、当初の資本金を使い果たしたために、資金が底をついてしまった。
メトロ1号線の総投資額は43兆7000億VNDで、ロンビン車両基地からベンタイン駅までの全長は約20㎞となっている。このプロジェクトは2012年にスタートし、当初予定では6年後の運行開始が予定されていたが、既に何度も遅延が発生している。現在、プロジェクトは91%が完了し、2023年末の運行開始が予定されている。
出典:22/06/2022 VNEXPRESS
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