日本にはリクルートなどが毎年発表する就職人気ランキングがありますが、ベトナムでも学生を対象にアンケートを取る形で「学生人気企業50」が近年毎年発表されています。
採用系SNSの「Anphabe」という会社が調査しており、集計メソッドの監修には日系企業も参加しています。さて、気になるその人気企業リストには、Nestle、L’Oreal、Boschなど欧米系が名を連ねます。AcecookやSuntoryなど日系企業が入ることもありますが、基本的に欧米外資が多く、特に消費者として接する機会が多い「消費財」や「金融」に人気が集中しています。
ランキングをじっくり眺めてみると気付きますが、そう、ベトナム企業が少ないのです。あってもVietcombankのような大手の銀行系や通信系ばかりで、日本のように時折コンサル系などで外資系を見かける程度とは全く異なる世界です。
例えば我々日本人の大多数が、就職の選択肢として外資系企業を優先すると想像してください。特にそれが欧米系企業であれば、日本人の就職観が変わると思います。皆で一緒に組織を発展させようという気持ちよりも、個人のスキルアップや昇給に意識が向いていくのではないでしょうか。
我々日本人は無意識のうちに、暗黙知で同じ従業員に期待してしまう部分が必ずあると思います。一方のベトナム人はこの結果が示すように、極めて現実的な選択をしているのかもしれません。就職先に求めるものが個人のスキルアップの場と、アウトプットした結果のリターンに尽きるのであれば、欧米外資は最適な選択なのでしょう。